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おめでとう。
いつか、そう心の底から言えるようになりたい。
ずっと一緒にいた。
ずっと大好きだった男の幸せを祝う女でありたい。
今はとてもじゃないけど無理。
最低の人間だ。
仲睦まじい演出が続き、新郎新婦の両親への感動の手紙も読み終わり、そして遂に披露宴も終わりを迎えた。
翔に見送られ会場を出る時に、
「二次会は1階のバーでやるから来いよ2人共。智くんが面倒臭がって帰っちゃいそうだったからホテル内にしたんだからな。」
お酒も沢山注がれて飲んで、強いハズの翔がすっかり気分もよくなっていて、智くんの肩をたたく。
「あー。でも…」
と、智が私を気にして断ろうとするから
「分かった。もちろん行くよ。」
智の横から私が笑顔で返事をする。
「おー。良かった。着替えて来るから待っててよ。」
「うん。」
智が何か言いたそうな顔で見つめる。
笑顔のまま会場を出ると
「…俺の事は考えンな。」
と、私のハーフアップにした髪先をつまむ。
ずーーーっと一緒だった翔の事を、1番に祝いたい智のために私なりの恩返しだよ。
ずーーーっと一緒だった智に、1番に祝われたい翔のために私なりの恩返しだよ。
「ううん。私も、翔を祝いたいだけだよ。」
「これ以上無理すんなよ。」
「こうなったら、とことん祝って成仏させてよ。」
てへぺろって笑って、
そっと智の手を髪から解き
「お手洗い行って来るね。化粧直しもしなくちゃ。」
そう言って笑顔で智をなだめてトイレに向かう。
ひとりになってレストルームの鏡を見ると
「ブス。」
そこには笑顔の仮面が剥がれ、惨めな顔した私がいた。
智が言うみたいに私は全然綺麗じゃない。
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はぁっと、ひと息ついてまた頑張らなきゃ。
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笑顔の仮面を作り直すのに、ちょっと時間がかかってしまった。
二次会を待つ人々が集まるラウンジに向かい、智を探す。
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あら。
やっぱり新婦友人達にロックオンされて、囲まれ質問責めにあっている。
それを遠目で見つめ、人が少ないところのソファーに座る。
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あともう少し。
と、目を瞑る。
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早く時が流れて欲しいと目を瞑る。
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なるべく何も考えないように深く目を瞑る。
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ことら(プロフ) - とも様コメントありがとうございます！こちらのお話を読んでいただいて大変光栄です。智さんには報われて欲しくて今回このお話を書きました。感想をいただいて感謝です。ありがとうございますm(_ _)m (2021年4月16日 22時) (
レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 優しすぎる智くんに涙です。ずーっと大好きな彼女を想い、さりげなくそばで守り、健気で泣けてくる。やっと自分の気持ちを伝えて両思いになれ結ばれて〜嬉しくて言葉になりません(笑)とっても心が暖かくなりました。素敵なお話をありがとうございました。 (2021年4月16日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - けいこさまコメントありがとうございます。智さん不足は私もです(笑)また会える日を励みに頑張りましょうね。 (2021年4月12日 20時) (レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - 智くん不足で今になって読みました。ますます‥智くんに会いたい気持ちがジワジワ。可愛くてカッコいい智くんを描いてくださりありがとうございます！ (2021年4月12日 6時) (レス) id: 329673fcf6 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - なるちゃんさんコメントありがとうございます！こんな未熟者の作品を褒めていただき恐縮です。 (2018年8月29日 12時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年7月28日 23時
