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この
私の初恋の
余命宣告から
一年後の今日。
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「私櫻井翔は
かねてからお付き合いさせて頂いてます
夏川結佳さんと、この度結婚する事を報告します。」
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ついに来た。
この世の終わり。
ここ最近
忙しくてなかなか集まれなかった。
ううん。
あれから避けてた。
トドメを刺されるのが怖くて。
なのに。
「しょーくんがAに会いたがってんぞ。」
身も心もクタクタで
コンビニでチンしてもらったモツ煮をぶら下げ、
いも焼酎片手に玄関に着いた私の前に
死神が仁王立ちしていた。
「智。」
割と今でも近くに住んでいる智は、たまにこうして会いに来る。
カーキのチノパンに白シャツ
コンバースのスニーカー。
ん。
と少し口を尖らせて手に持っていたタッパーを差し出す姿は三十路には到底見えない。
「それ
私のかーちゃんの肉じゃがじゃん。
智、またうちに行ったの？」
鍵を開けながら聞くと
「うん。
たまには帰って来いってよ。」
私の手からコンビニのビニール袋を取って持ってくれる。
「やだよ。
結婚しろしろってうるさいんだもん。」
「だから俺とするっつっといた。」
「はっ！？
何余計な事言ってんの？
かーちゃん本気にしたらどうすんのよっ！」
「すればいいじゃん。」
飄々と答える智。
「あんた。
晩御飯は肉がいいなって言うくらいのノリで言わないでくれる？」
「それくらいのノリで考えてくれる？」
お互い靴を脱ぎながら言い合う。
「バッカじゃないの？
誰があんたみたいな女ったらしにひっかかるか！」
「Aはしょーくん一途だもんね。」
ぐっ。
テーブルにコンビニの袋とタッパーを置く。
「…いつから気付いてたの？」
「ん？Aがしょーくんを好きになった時から。」
「あほ。」
自分の家のようにお皿に肉じゃがを移し、使い慣れてるレンジにそれを入れる智を睨む。
「智には分からないよ。」
誤魔化す様にテレビをつける。
智は勉強はだめだったけどイケメンで、運動神経抜群で絵も字も上手だったから昔からすごいモテていた。
中学に入ると告白されては付き合って。別れて。
またすぐに告白されては別れて。それの繰り返し。
来る者拒まず去る者追わず。
そんな智の近くにいた女子の私は
ひがまれる事もあった。
先輩に呼び出されたり。
でも
その度に
「Aに何かしたら俺が許さねぇからな。」
そう言って智が助けてくれた。
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ことら(プロフ) - とも様コメントありがとうございます！こちらのお話を読んでいただいて大変光栄です。智さんには報われて欲しくて今回このお話を書きました。感想をいただいて感謝です。ありがとうございますm(_ _)m (2021年4月16日 22時) (
レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 優しすぎる智くんに涙です。ずーっと大好きな彼女を想い、さりげなくそばで守り、健気で泣けてくる。やっと自分の気持ちを伝えて両思いになれ結ばれて〜嬉しくて言葉になりません(笑)とっても心が暖かくなりました。素敵なお話をありがとうございました。 (2021年4月16日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - けいこさまコメントありがとうございます。智さん不足は私もです(笑)また会える日を励みに頑張りましょうね。 (2021年4月12日 20時) (レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - 智くん不足で今になって読みました。ますます‥智くんに会いたい気持ちがジワジワ。可愛くてカッコいい智くんを描いてくださりありがとうございます！ (2021年4月12日 6時) (レス) id: 329673fcf6 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - なるちゃんさんコメントありがとうございます！こんな未熟者の作品を褒めていただき恐縮です。 (2018年8月29日 12時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年7月28日 23時
