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丁度一年前
宣告を受けた。
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「紹介する
こちら
夏川 結佳さんです。
俺達、結婚を前提に付き合ってるんだ。」
カラン。
私の手元のいも焼酎水割り。
そのグラスの中で氷の音が響いた。
「あっ！
えぇーーーっ！？
本当っ！？
おめでとう！！」
私は動揺を隠すため
めちゃくちゃテンションを上げ
拍手をしながら立ち上がって喜んだ。
向かいに並んで座る
2人は赤くなりつつも
見つめ合って微笑んでいる。
そんな彼女の前には
カシスオレンジ。
そして、無理矢理ハイテンションな私の横で
聞いてんだか聞いてないんだか
ボケっと私を見つめる男。
「智っ！！
あんた、幼馴染のめでたい報告に
もっとテンション上げていきなさいよっ！」
大野智。
こいつの背中をバシっと叩いて
2人に視線を戻す。
「んー
…しょーくんおめでとー。」
こいつは
動物に例えたらナマケモノ。
報告を終えた彼は
「はぁ〜
良かった。
なんか緊張したわ。
なにせ
幼稚園からの幼馴染2人に紹介すんだから。
親に紹介するようなもんじゃん。
サンキュ。A、智くん」
そう言って
テーブルにのせていた彼女の手を軽く握って
ビールを一気に飲み干した。
翔。
櫻井翔。
私の初恋の人。
智、翔、私は幼稚園からの幼馴染。
中学から翔は父親の会社を継ぐため
都内でも有数の有名私立お坊ちゃん学校に入学した。
私と智は凡人の為、高校まで一緒に公立に通い
私は教職の大学へ、智は美大に進学した。
今は三十路間近、それぞれ実家も出てそれぞれ仕事をしている。
でも月に一度は幼馴染の会として集まり、こうして近状を報告し合っていた。
そうね。
私みたいな、しがない公立の小学校教諭より
キラキラキラキラしている意識高い系女子のこの子の方が、何百倍も何千倍も翔には似合っている。
「お似合いだね。」
そう微笑むと
「本当ですか？
私から見たら翔さんは高嶺の花過ぎて。
こうやって付き合えるなんて夢にも思ってませんでしたから。」
そう言って一口ちょびっとカシスオレンジを飲んで
グラスに付いたピンクの口紅を親指で拭く。
「そんな事ないよ。
俺からしたら結佳の方が高嶺の花だよ。
お前の事狙ってる男がどんだけいると思ってんだよ。」
2人のラブラブなやり取りを
はははっと笑って眺めてるフリをする。
やめて。
私はずっと
ずっと
ずっとずっと
翔が好きだったんだから。
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ことら(プロフ) - とも様コメントありがとうございます！こちらのお話を読んでいただいて大変光栄です。智さんには報われて欲しくて今回このお話を書きました。感想をいただいて感謝です。ありがとうございますm(_ _)m (2021年4月16日 22時) (
レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 優しすぎる智くんに涙です。ずーっと大好きな彼女を想い、さりげなくそばで守り、健気で泣けてくる。やっと自分の気持ちを伝えて両思いになれ結ばれて〜嬉しくて言葉になりません(笑)とっても心が暖かくなりました。素敵なお話をありがとうございました。 (2021年4月16日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - けいこさまコメントありがとうございます。智さん不足は私もです(笑)また会える日を励みに頑張りましょうね。 (2021年4月12日 20時) (レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - 智くん不足で今になって読みました。ますます‥智くんに会いたい気持ちがジワジワ。可愛くてカッコいい智くんを描いてくださりありがとうございます！ (2021年4月12日 6時) (レス) id: 329673fcf6 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - なるちゃんさんコメントありがとうございます！こんな未熟者の作品を褒めていただき恐縮です。 (2018年8月29日 12時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年7月28日 23時
