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「ただいまー」
Aの家に帰って来たけど真っ暗だ
電気をつけてソファーに埋もれると
ニノの言葉が頭を巡る
「くそっ」
ダメだ
また靴を履いて夜の街へ繰り出す
帽子を目深く被りスマホ見ながら歩けば誰も気づかない
行きつけのバーに入ろうとしたところで
男女6人のグループが店から出て来た
どんっ
すれ違いざまにグループの一人と肩がぶつかった
「すみません…」
テキトーに謝ってそのまま中に入ろうとして
あれ？
振り返ってぶつかった相手を見る
「あ
しょーくんの…」
「え？」
相手もハッとしてこっちを見る
「あ…
大野さん…」
酒くせぇし
合コン？
「…あんた…」
「お願い！
翔には内緒にしてっ！」
「あんた
まさか…」
驚いた表情がゆっくり冷静な顔に戻り
にっこりと微笑む
「その方が大野さんにとっても都合がいいでしょ？」
「は？」
何言ってんだこいつ
「幸村 Aさん」
「…」
固まってる俺を見透かしたように
「今Aさんの周りにはマスコミが張ってるから
大野さんも気をつけてね」
そー言う事か
しょーくんがAにコンタクトを取れない理由はそこだったのか
「お前すげぇな…」
思わず半笑いになっちまった
「あら
大野さんだってそうでしょ？」
「んだと…？」
「大野さんはAさんを手に入れたい
私は翔を手に入れたい
だったら
今の状態が最善でしょ？
この事を黙っていればあなたはAさんを手に入れられる」
「子供はどーすんだよ
出来てねぇんだろ？」
「A型の男なんて日本で1番多いのよ？」
思わずゴクっと喉が鳴る
女って…
てか
人って怖ぇな
「そこまでして欲しいのかよ？」
「欲しいわよ
あなたも同じでしょ？」
俺？
お前と同じなのか？
「あなたがこの事をバラしたら
Aさんは翔のものになるわよ？
いいの？」
「…」
こいつのやってン事は人として間違ってる
でも…
『大野さんには真っ当な人生を送っていて欲しいんですよ』
ニノの言葉が過ぎる
でも…
Aを手放すなんて…
「良く考えてくださいね」
勝ち誇ったかのように彼女は去って行った
しばらく立ち尽くして
「同じか…」
ケツポッケから携帯を取り出してタップする
プルル…プルル…プルル…
呼び出し音が鳴り続け
「はい
智？」
Aの声を聴いて
すぅっと深呼吸をする
「…ん
今から帰る」
「帰るって笑」
「A」
「何？」
「好きだよ」
O-side end
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ことら(プロフ) - とも様はじめまして！コメントありがとうございます。私も書いていて智さんが可哀想になってしまい「この世の終わり」を書きました(笑笑)。もし良かったらそちらもよろしくお願い申し上げます。 (2021年4月14日 21時) (
レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。智くん推しの私的には智くんと…残念な気持ちが大きい中、智くんの気持ちが切なくでも智くんらしいなと。とても楽しかったです。 (2021年4月14日 15時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - sky57421970様はじめまして。コメントありがとうございます！素敵な感想をありがとうございます。また次作が書ける時が来たら是非是非お読みいただける事を願っております。本当にありがとうございます！ (2019年3月12日 18時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。作品を読ませていただきました。最後に幸せに終わってよかったです。でも私はこの作品の大野さんが好きになりました。二人のために身を引く姿がカッコよかったです。これからも楽しみに作品を読ませていただきますので頑張って下さい。応援しています。 (2019年3月11日 8時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年1月3日 18時
