太陽と月 s.s (ページ40)

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予感ページ40

キラキラの世界を遠くから眺める

私の右腕に智の手が重なる

振り返ると
「あっちにローストビーフあるから食べようっ」

いつもよりテンションが高い智
返事より先にぐいぐい引っ張られて歩き出す

「うん」
ありがとう
笑顔になる

しょーくんがいる場所から反対方向へ遠ざかる

大勢の中だから
智と顔を近づけて会話をしながらビュッフェスタイルの食事を楽しむ

やっぱり食べてる時は楽しい

智とこうしてくだらない事を言い合ってくすくす笑い合うのも久しぶり

すこし気が紛れる

この時の様子をしょーくんが見つめていたなんて知らなかった

結局その日はしょーくんと話もする事なく終わった

渡せなかった誕生日プレゼント

メールや着信もないまま

これでいいんだ

所詮キラキラの世界には入れないのだから

それから2月に入って仕事もだいぶ落ち着き家も決まった

智が家決まったんだったら教えてとせがむので
拒否する理由もないから教えた

以前ほどではないが家にまた良く来ては私の作った料理を美味しそうに食べてくれた

また戻ったように表面上は見えるけど
私の心の変化がある

しょーくんへの気持ちだ

智は多分気づいている

ガチャ

玄関を開けるとティンバーランドのブーツ

「智？」

「おかえりー」

とことこ出迎えに来た

「最近また毎日来るようになったけど
仕事落ち着いてるの？」

「んー」

なんとなく嫌な予感

智が私にやたら会いに来る時は何かある時が多い

「ねぇ…
智？」

「んー？」

「何かあるの？」

「え？

何かって？」

智の鼻が動いた

何かある

「言えない事？」

「………

明日分かる…」

嫌な事だと分かった

また週刊誌かと思っていたら
次の日携帯のニュースでも取り上げられた

『櫻井翔熱愛報道
結婚間近
お相手は〇〇局アナウンサー』

頭が真っ白になった