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「どうしたの？」
ベッドの端に座ってタバコをふかしていると
さやかが俺の腰に手を回しながら囁く。
シーツから顔をのぞかせてそのまま抱きついてくるさやかの髪を撫でながら
「ん？別に」
「そう？
なんか物思いにふけてる顔してたから」
「なんもねぇよ」
「翔
たまにそういう寂しそうな顔するから…」
「まじで？
ンなことねぇよ」
ははっと笑いながらタバコを灰皿に押し付けて火を消し、さやかを抱きしめる
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ガキだった頃を…
Aのことを思い出していたなんて言えるはずもない
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最初にAを好きになったのは俺
滝沢よりも
あの頃の誰よりも
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だけど恋愛は先着順じゃない
だから
誰よりも
最初に諦めたのも俺
バーベキューの時は
滝沢が何かとAに話しかけていた
それが面白くなくて
割って入る自信もなくて
でも
もし
もしも…
「ほら」
「あ」
さやかの声で現実に戻る
「その顔」
図星だった
「別になんもねぇから
心配すんな」
心配そうに覗き込むさやかにキスをして
そのままベッドに組み敷く
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終わった出来事に
もしもなんてものは存在しない
これが全てなんだ
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君を諦めたあの時から
もう終わったことなんだ
現実はひとつ
これが俺の人生なんだ
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「おはよ」
「んー
おはよ」
朝の爽やかな空気にうまそうなラテの香りが漂う
うちに泊まった日は、さやかは必ず朝食を作ってくれる
俺ひとりだと、まともなものを食わないのを心配して。
「うまそーだなー」
さやかが先に起きてせっせと料理を作ってくれていた
「ほら
髪の毛寝癖すごいよ」
「んー
まじか」
サラダを盛り付けているさやかを後ろから抱きしめる
「ほら
もうすぐご飯できるから食べよう」
「んー」
「どうしたの？」
「…なぁさやか」
「ん？」
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「…いや…
ごめん…なんでもねぇ」
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さやかとなら幸せな家庭を築ける
両親も喜ぶだろう
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だけど
決心がつかない
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俺は弱い
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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (
レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました！すごく面白かったです､これからも頑張ってください！ (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした！ (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年10月13日 19時
