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むしろ
ここまで来ると
あれは夢だったんじゃないのかとさえ思えて来た
「…」
自分の手を見つめる
この手で
あいつを抱きしめた
髪を撫でた
今でも覚えている
この感触は
本当にあいつだよな…
「んふふ」
「あっ」
すっかり
大野さんの事は忘れて自分の世界に入ってしまっていた
「しょーくん
丸くなったよね」
「えっ！？
俺、太りましたか？」
思わず両手で顔をペタペタと触って見る
「んふふ
違うよ
心が丸くなったねって事？」
「心が…？」
どういう事？
「優しくなったって事
前みたいに作りものじゃなくて
血が通っている暖かさが出てきた」
「…うーん
それはつまり…？」
理解しようと頭をフル回転させる
「相手を思いやる気持ちが出たんだよ
人に対してね
今までは自分の都合のいいように
相手を上手くコントロールしてたじゃない？
それが相手の都合に合わせられるようになったね」
「…そう…ですか？」
「そうだよー
Aちゃんの都合を考えて自分の感情を抑えてるでしょ？
前は自分の都合で相手を振り回してたのにね」
「…確かに…」
今までは俺の都合で連絡したりしなかったりしてたな…
「…それに」
そう言って
大野さんは吹き出した
「それに？」
「それに
しょーくんが毎日連絡するなんて
なんか信じられない
だいぶ束縛してるし
まぁ
それだけベタ惚れって事でしょ
帝王も年貢の納め時だね
ライオンが猫になっちゃったみたい」
「ね、猫って…」
自分の変化を指摘されて
狼狽えてしまう
「しょーくん
顔真っ赤だよ」
更に大野さんが笑い出す
「もー
大野さんのせいじゃないですかっ」
あまりに恥ずかしすぎてデスクに突っぷす
「かぁいいな〜
その姿をファンの子達に見せてあげたい」
「やめて下さいっ
それにファンなんていませんからっ」
「完璧な男の櫻井翔さん」
「だからやめて下さいってばっ」
この鋭い男にはまだまだ敵わない。
大野さんとわちゃわちゃしていると
「おーい
そろそろ会議始めるぞ」
「はいっ」
その合図で仕事モードに切り替える
.
浮かれて仕事が手につかないなんてなったら
Aに愛想尽かされてしまいそうだ
それに
あいつも頑張ってるんだから
俺も頑張らないと
手にした消しゴムをギュっと握って会議に臨む
.
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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (
レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました！すごく面白かったです､これからも頑張ってください！ (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした！ (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年10月13日 19時
