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思春期の頃は
気心の知れた女友達以外、俺から女に話しかける事なんてほぼしたことなかったのに
なぜあの時
あいつと話しをしたくて話しかけたのか
今思えば
それが恋のはじまりだったんだ。
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そこからは
俺の持ち前の社交的で人をまとめることが好きな性格が活かされて、俺達のグループのディスカッションを率先してリーダーシップを取って進めていく。
あいつ…のことも講義が終わる頃には「A」と呼ぶようになり、Aも俺のことを「櫻井」と呼ぶようになっていた。
この時まだ俺は、Aのことを女友達がひとり増えたくらいだと思っていた。
でも
明らかに他の女友達とAと違うところは
「なあなあサクショウ！
あの子と喋ってただろ？なんて名前？俺らにも紹介しろよ」
ゼミが終わって次の教室に移動している途中
仲間達が必要以上に絡んでくる。
それに対して何故かイライラしたこと。
Aを俺以外の男にあまり会わせたくないと思っていたことだ。
「は？
ただグループが一緒だったからディスカッションしただけだよ」
目も合わせずに答える
「なんだよサクショウ
お前なら他にたくさんいるだろ？
俺らはお前と違ってなかなかチャンスがこないんだからちょっとは分けてくれよ」
その言葉に無性に腹がたって
「だったらAじゃなくて他の女にしろよっ！
いくらでも紹介してやんからっ」
気づけば大声を出してまわりは静まり返っていた。
それでも
「興味があんなら、お前らから話しかければいいだろ？
とにかく俺はAに関してはお前らの手助けはしないからな」
ただただ純粋に、あの綺麗な笑顔をこいつらのこんな下心で汚したくなかった。
唖然とする仲間達を置いてひとり足早に次の教室に歩いていく
俺が守りたい…
なんて思うのはただのエゴにしか過ぎない
Aが望んでいることではない
あいつらがAに話しかけて仲良くなるもならないもAの自由だ。
俺にそれを阻止する権限はない
なのに
仲良くならないで欲しいなんて願っている
腹ん中でそんな２つの真逆の感情が相塗れてどろどろに絡み合う
胸クソの悪さに吐き気さえする
ひとりの人間にこんなに感情を振り回されるなんて生まれて初めてだ。
だけど解消する術を俺は知らない
「くっそ…」
呟く独り言がただ虚しかった。
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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (
レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました！すごく面白かったです､これからも頑張ってください！ (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした！ (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年10月13日 19時
