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それから
始業時間までお互いに口数は少なかったが
気まずい訳でもなくむしろ心地が良かった
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素直になると
こんなに穏やかになれるんだな
Aや滝沢から学んだ事
「サンキュー」
そう
タバコをふかしながら呟くと
「なんだよ
櫻井がそんな素直だと
調子狂うな」
なんて揶揄う滝沢だけど
目は嬉しそうに笑っていた
誰かを想って
誰かのために
自分を変えていく
変わっていく事も必要なんだ
.
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「さやか
ごめん」
「…翔の好きな子って
Aさん？」
「…っ」
「…やっぱり…
私がだめなところがあれば教えて？
Aさんより足りない部分があれば補うから
だから…
お願い…」
.
今までの俺だったら
どんなに泣きつかれようが容赦なく切り捨てて来た
なのに
「本当にごめん
さやかに足りないところなんて何もない
さやかは完璧だよ。
俺、あいつの事が本当は学生の時からずっと好きだったんだ…
さやかには本当に感謝してる
こんな俺と3年も一緒にいてくれて
だけど…
本当にごめん…」
「他にいるかもしれないのは薄々気づいてた…
けど…
Aさんだったなんて…
翔が有給取って名古屋に行ったって聞いてから
なんとなく分かった
そして
Aさんがこの間本社に来た時に
あぁこの子、翔の事が好きなんだって確信したわ
でも
Aさんは滝沢くんと付き合ってるんでしょ？」
「あいつが俺の事を好きかは別として
滝沢と付き合っていてもいなくても、俺はあいつが好きなんだ」
Aが俺の事を好きなんだって聞かされて
こんな時でもジンとしてしまう
だけど
あいつを巻き込みたくない
「Aは関係ない
ごめん
本当にごめん」
「Aさんをかばうのね…」
「かばうも何も
俺が全部悪いんだよ」
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俺の言葉を受けたさやかが
一瞬目を丸くして驚き
「…ふふっ」
と、笑った
「え？」
その行動に俺も驚き
声を上げると
「…翔が相手の女をかばうのも
自分が悪いって謝るのも初めて見たわ…」
そう言ってさやかはくすくすと笑う
「あー……」
さやかと付き合っていた3年の間
1、2回火遊びはした
その度に何だかんだと言い訳してたな…
酒に酔ってただの…
泣いて縋られただの…
俺って本当にひどい奴だったと
改めて申し訳なく思った
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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (
レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました！すごく面白かったです､これからも頑張ってください！ (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした！ (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年10月13日 19時
