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会社に戻りエレベーターのボタンを押す
エレベーターが来るのを待っているこの時間でさえももどかしい
エレベーターが着き
乗り込んで会社のある階のボタンを押す
はぁっ
と、ここでようやくひと息つく事が出来た
早く早く
会社の階に着いて急いで降り
セキュリティーカードで社内に入る
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「っ」
もう
誰もいないらしく
外のビル街の灯りで社内が照らされていた
いつもなら沢山の社員で賑わっているフロアが静寂に支配されていて余計に孤独感を引き立てる
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間に合わなかった…
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コツコツと自分の靴音だけが社内に響き渡る
照明も付けずに自分のデスクに向かいカバンを置く
社内を見回しそのまま
大野さんから連絡が来てないか
携帯を見ると
大野さんからではなく
同期からのグループラインが入っていた
タップをして開くと
〈Aさんが出張で東京に来ていて、今日本社に来てくれたので久々同期会に誘ったのですが、今日名古屋に戻るらしくまた次回に。残念。大人になって綺麗になってたよー。〉
残念そうなくまのスタンプと共に俺もうなだれた
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なんだよ
なんなんだよ
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これが俺が犯した罪の制裁なのかよ
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確かに
それだけの事をしたにも関わらず
願いを叶えて欲しいなんて都合が良過ぎるよな
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今Aに会いたいという願いが叶わない事が
今俺にとっての一番の制裁だ
ネクタイを緩めながら窓際までゆっくりと歩き
壁にもたれて
ビルの灯りを見つめる
「ふはっ…」
なんだか笑えて来て
両手で顔を覆って
壁にもたれたまま
床にずるずると座り込む
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やっぱあいつの事だけは上手くいかないな
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ふぅ
と軽く深呼吸をして立ち上がる
机の上に置いてあった資料をトントンと整えてカバンにしまおうとした時
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「あ」
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どくん
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机の端に消しゴムがあった
.
.
手に取ると
見覚えのあるシールが貼ってあった
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《私のはシールが貼ってあるから》
.
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あいつの消しゴムだ
.
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あの時の
君の顔が
声が
鮮明に蘇る
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高鳴る鼓動が鳴り止まない
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ことら(プロフ) - 皆さまコメントありがとうございます。 (2018年11月3日 11時) (
レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - はじめまして!毎回楽しく読ませて頂いてました！すごく面白かったです､これからも頑張ってください！ (2018年11月2日 19時) (レス) id: 41dfb4f50b (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - お疲れ様でした！ (2018年11月2日 18時) (レス) id: 57fa7283bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2018年10月22日 21時) (レス) id: 971a33d799 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - まひうお様はじめまして。そう言っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年10月13日 19時
