赤い髪の毛の君 (ページ8)

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プリンの匂い ② ページ8

インターホンを鳴らすと少し経ってドアが開いた。
赤い髪の彼が出てくると思ったが、私の目の前にいるのは黒いメガネをかけたりっくんが出て来た。期待してたのにな。

「Aちゃん！入って入って」

おじゃましますーと言って中に入る。冬の外とは違って家の中はとても暖かくて、懐かしい匂いがした。久しぶりのアバハウスだ。相変わらず散らかってるなぁと思いながら彼がいる部屋に向かった。
部屋の床にはきっとYouTubeの撮影で使ったであろうビニールシートが敷かれてあって、その上には巨大なプリンがボロボロになって置いてあった。

「A！おいで！」

赤い髪の毛を揺らしながら手を振る彼の元へ駆け寄ると彼からプリンの匂いがした。彼の服を見ると茶色く汚れていて、「なにこれどうしたの」と彼に聞く。

「プリンの上でぷりんぷりんしたかったの」

「だからそんなに服汚れてるの？」

「プリンの上でぷりんぷりんしたから汚れちゃった」

まるで小さな子供を見てるみたいで可笑しくってふふっと笑う。彼は不満げな顔をして「何がおかしいの」と言った。伸びてきた手が私の腕を掴み彼の元へ引き寄せられる。急な出来事で咄嗟に彼を見上げた。彼は私の頬を両手で触りながら微笑んだ。

「まぁプリンより俺はAのほっぺの方が全然すきだわ」

そうゆう彼にドキっとしてしまう私はチョロいんでしょうか。