ノイン・レクレシオス〜音楽の国の２人の女神〜

第１８話 ページ20

咲夜サイド

さて！あれを使うか！

咲夜「希望の旋律を力に。ナイトピアノ！」

すると、透明に透き通った白鍵と、それぞれに記号の刻まれた黒鍵を合わせた88の鍵盤が現れた。

咲夜「もう1度力を貸して！歌の雫！」

再び歌の雫を出すと、サファイアの輝きが増していた。

明世「あれが、咲夜がフォルテに託されたもの！」

アスティ「綺麗...」

俺は心を落ち着けてから、ピアノを弾き始めた。

そして息を吸い、歌い出す。

咲夜「♪ 遠い街で すれ違う 知らない顔に 怯えて

泣き叫んでも 届かない想いは涙と流れた〜」

『YUBIKIRI GENMAN』。俺が最も好きな歌。

そして、心に響く歌。

咲夜「♪ 誰にも触れられず野に咲く僕らは夢を見る

大切な誰かと小指を結んで離さないように〜」

ヴェンティ「ぐぁああ！今度は何だっ！それに、この光は！」

歌うたびに歌の雫の輝きは増していた。

そして、いつしかミュージアム全体が笑顔と優しさで溢れていた。

穂波「温かい」

御幸「まるで誰かに抱きしめられてるみてぇ」

スオーノ「街の人も嬉しそうです」

アコール「歌詞が、胸に染み込んできます」

すると、レクレシオスみんなの手と手に赤いリボンが結ばれていく。

春市「このリボン、って///」

鈴音「春市///」

その先は彼らが思う人の手に繋がっていた。

沢村「スゲェ///」

千奈「これはズルいよ///」

降谷・アスティ「//////」

みんなへのプレゼントだ。

咲夜「♪ 僕らは1人で生きていけないと

気づいたのはいつ？〜」

歌と共に、リボンはみんなの手を守るように結ぶ。

明世「これ///」

東条「くすぐったいけど、嬉しいな///」

金丸「頭上がらねぇ///」

千鶴「ホント、感謝だよ///」

穂波・御幸「(ズルすぎるだろ///)」

みんな嬉しそうだし、俺も嬉しい。

だって、みんなが幸せそうだから。

咲夜「♪僕らは迷いながら 道筋を照らし出す

休んでもいいから止まらないように

僕らは夢を見る 大切な誰かと 小指を結んで

離さないように ゆびきりげんまん 唱えた」

歌い終えても、リボンは消えなかった。

倉持「流石、咲夜だわ」

咲夜「ふふっ///」

ふと、ピキピキッと音がして振り返れば

闇のクラリネットが次に触れればあっという間に壊れるくらいまでボロボロになっていて

ヴェンティも苦しげにこっちを睨んでいた。

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