recoup 40 ページ40
坂田.side
｢ 志麻は、安心するの ｣
一言目が、それなのだ。出てくる話は もはや全部惚気にしか聞こえてこなくて。
苦しんでいるのは痛いほど分かってはいるけど、ふっと笑顔が零れてしまう。
｢ …何笑ってんの ｣
｢ ごめんごめん、聞かせて？ ｣
｢ 今日のデートも、すごい楽しかった。志麻の隣に居ると、自然と笑えてて もっと一緒にいたいって思う。でも、志麻は昔の私を知ってて きっと求めてるのは昔の私なんだろうなって言うのも なんとなく分かった ｣
私も思い出せたら幸せだろうし、志麻もそれを求めてるならって思って 今日もそれを理由にデートに誘ったけど、全部 “ 見たことはある ” 感じはするのに、どれも新鮮に感じてしまっていざ 思い出しそうになると、全てに霧がかかったようになると。
そう語った Aは、志麻くんを思い出せずに深く悩んでいた。なんでそんなにも思い出したいのか、なんて答えは簡単だろうし、それを志麻くんに伝えたら 志麻くんも嬉しそうに受け止めてくれると思う。
＿＿＿＿けど、それじゃダメなのだろう。彼女の中じゃ。
膝あたりでぎゅって拳を作って、ぷるぷると小さく震えながら 涙を堪えている。いつもいつも、こうしてAの感情を大きく揺さぶるのは志麻くんだけだ。
｢ たまに…身体がね、志麻といると勝手に動く時があるの。今日も 勝手に助手席に乗ったり、志麻の家に行った時も 迷わずソファに座ってテレビつけて 志麻が隣に来るのを待ってた ｣
｢ そういうことすると、志麻はいつも泣きそうな顔する。…なんで、って顔して私を見るの ｣
｢ なんで今の私は、志麻を知ってた昔の私じゃないのに、同じことをするんだってそんな顔 ｣
Aは、鋭い。
今も前も、まーしぃからの気持ちを気付くのにはだいぶ早かった。けれど彼女は奥手で怖がりで、本当に手を取っていいのか分からなくて、まーしぃから逃げてた。
でも、それでも 手を伸ばし続けてくれていたまーしぃに安心して、前は彼の手を取っていたけど。
今は、手を差し伸べているのは 私にじゃなく “昔の私” にだとでも思っているのだろう。
確かに まーしぃは 昔のAを引きずっている部分もあるだろうけど、それでも今の彼女も前の彼女も引っ括めて Aが好きなのだと、そう思う。
｢ …私…志麻のこと、好きだったはずなのにそれが思い出せないまま、また好きになって、彼女になりたいなんて我儘すぎるよね ｣
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ざゆ(プロフ) - 本当に本当に本当に最高でしためちゃくちゃ泣きました！！こんなすてきなさくひんをありがとうございます、また何回も読みに来ると思います本当に大好きです！！ (2020年8月11日 1時) (
レス) id: d0019edafb (このIDを非表示/違反報告)
空っぽのコップ(プロフ) - センラさんに正直に話す所から涙が止まりませんでした。こんなにも素敵な作品を作って下さってありがとうございます！ (2019年6月28日 7時) (携帯から) (レス) id: 7582f8fce2 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - ぷりん畑さん» お返事遅くなって申し訳ありません。私の作品なんかで涙を流してもらえるなんて光栄です!ぜひrecoupを聴きながらまたこの作品を呼んでもらえると嬉しいです！ (2018年6月7日 3時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん畑 - お友の紹介で読み始めたんですが、夢主事故った位からずっとうぅうぅ泣きながら読んでました。またrecope聴きたくなりました。大好きです。 (2018年5月25日 22時) (レス) id: ddc5e690a1 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 葵香さん» 素敵な曲ですよね、あの曲私大好きです(*´ω｀*)ご覧いただきありがとうございました！ (2018年1月18日 1時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
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