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ザクッ、ザクッと響く砂音
普段から人気のないその場所にその音が響いてくるのが不思議で仕方なかった
振り向けば、ずっと会いたかった人が立っていた
彼は私が話すのを待っている
じっと見つめてくるその目はあの日…大貴が迎えに来てくれた日と同じ目をしていた
なにか、話さなければいけないという衝動に駆られながらも、なにから話すべきかがわからなかった
いきなりいなくなったこと?
このお腹のこと?
大貴のこと?
光と梨華は知っているってこと?
なんで、ここにいるかってこと?
話したいことはたくさん溢れてくるのに、話すべきなのかどうなのかがわからなかった
何のために今までここで暮らしていたのか。
それを自分で決めたことなのに、慧くんに会ってしまった今…
自分で決めた壁はボロボロと崩れ始めていた
伊野尾「…元気だった?」
か細い声が耳に伝わり、波の音と同じように感じた
「…うん。」
伊野尾「…ははっ。元気なわけないか…」
お腹に視線を感じ、下を向く
そのあとすぐに感じた視線は私をじっと見つめている慧くんだった
「…あっ、あの…ね?」
伊野尾「…大ちゃん、探し回ってたよ?
んー。まあ俺もだけどさ…」
ねえ、どうして?
一緒に過ごした時間は、あんなにも甘い時間だった
一緒に手を繋いで寝た日は、あんなにも穏やかで愛しい時間だった
それなのに、どうしてアナタは悲しそうな目で私を見つめ、別の人の名前を出すの?
そんなこと聞けるはずのない私は…
「…そう…だ…よね…。」
つきたくない嘘をつくんだ
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はるこ(プロフ) - すごいいいお話で泣いちゃいました。ほんとにありがとうございます! もしよかったらこのお話の続編読みたいです、、。少しでもいいのでお願いします。わがまますみません、、、。これからも更新楽しみにしてます! (2019年7月30日 19時) (レス) id: 7c04abead6 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - るんさん» ありがとうございます! 更新頑張ります☆ (2017年11月10日 16時) (レス) id: c9564d30a8 (このIDを非表示/違反報告)
るん - どうなるのかな!?また更新楽しみに待ってます☆ (2017年11月9日 22時) (レス) id: af361dae23 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 杏樹さん» ありがとうございます!更新ペース遅いですが、最後までお付き合いくださいね!コメント頂いたおかげでかなりやる気になりました!!! (2017年10月24日 23時) (レス) id: c9564d30a8 (このIDを非表示/違反報告)
杏樹(プロフ) - ほんっとにおもしろいです!展開がよめなくてドキドキさせられます!!更新楽しみに待ってます!! (2017年10月23日 20時) (レス) id: 6c8d85bcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2017年10月19日 13時