A beloved person...LAST Kei.I ×Daiki.A

163 hikaru side ページ20

「…そっか、わかったよ。」






彼女の頑固さには本当呆れる
でも、きっと彼女なりに考え出した結論なんだろう
そう思うと、俺は何ができる？









A「光、この事は秘密にしててね。」


「梨華には、言わないのか？」


A「…梨華には言うよ。だって、あの子私なしでは生きれないでしょ？」


「それは、Aもだろ？」


A「そうかもね？」






ふふっと笑う彼女に迷いなんてなかった
真っ直ぐと自分で決めたその道を歩いて行こうとしていた









A「光、大貴心配してると思うしいくね？」


「送って行こうか？」


A「大丈夫！すぐ近くだから。またね？」









またね、というAの背中は、すごい寂しそうだった
少しでも気持ちが楽になってくれたのかな…なんて
俺に分かるわけないか…









たまたま通ったこの道でまさかの事実を知ってしまった俺はどうもできないもどかしい気持ちを抱えたんだ









なあ、A？
サヨナラの仕方を聞くって事はさ、きっと…サヨナラなんてしたくなかったんだろ？
俺はAのこと、わかったつもりでいたんだ、ずっと…

でも、わかってなかったんだ。
Aが選択した道が間違っているなんて、言えない弱虫な俺はさ…

Aが幸せになれますように、としか願えなかったんだ
この先どんなことがあったって、Aには、幸せになってほしいって、心から願ったんだ









大ちゃんがさ、どんな選択をしても。
伊野尾がさ、どんな選択をしても。

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