45 yuya side ページ45
Aちゃんが俺の様子がおかしいと思って声をかけてくれた。
でも、昨日のことをAちゃんには言うべきではないと思い、何でもないよと笑って答えたが…
俺、嘘つけないんだよなー
薮くんが見るに見兼ねてこっちへきて
薮「お前なんかあったろ？」
と声をかけてくる
うなづくと顎であっちこいと指示をしてくる薮くんについていく。
その様子を不思議そうに見ている光くんと有岡くんとAちゃん。
心の中でごめんと謝りながら薮くんの後を追った
薮「んで、なんかあったのか？」
彼は割と鋭いタイプだ
なんかあったのか、と聞きながら
もう頭の中で状況を整理し始めているのだろう
「…昨日、奏衣がバーに来た」
ガタンと音が聞こえた
それにびっくりして前を見ると
薮くんが椅子から立ち上がっていた
薮「…はあ？見間違いとかじゃなくてか？」
鋭い眼光から目が離せず、声を出そうとしたけどなぜか声が出ず
またうなづくことしかできなかった
薮「…んで、伊野尾とは会ったって？」
「…うん。なんか会ってバーの場所聞いたみたいで…」
薮「…で、今伊野尾はどこに」
「…わかんねえ。でも多分バーにいるんじゃないかな。
俺が帰るときにはいなかったけど…」
そう話すと薮くんはふぅとため息をつく。
俺も同じようにふぅとため息をついた。
何とも言えないこの空気に耐えることはできないタイプだ
「…奏衣、相変わらずだよ」
薮「…だろーな。伊野尾もそれにきづけばいいんだが…
てか、あいつはAちゃんのこと…」
「…えっ？」
薮くんがやべっと言いながらバツの悪そうな顔をする
薮「…まあでも、もう大ちゃんと付き合ってるしなー。
あの子なら伊野尾と…って思ったんだが…」
「…そうだね。」
2人の恋路を邪魔するほど、俺らも腐ってない
ただ、奏衣のことは別問題だろう
またふぅとため息をつく。
薮くんは何かを考えているようだった
薮「…なあ。伊野尾に本当のこと話したらどうだろう」
「えっ、今更？」
薮「…今だからだろ。あいつがAちゃんに少しでも好意があるなら尚更だ。」
「…うん。そうだね。もう3年も
薮くんの意見に賛成した俺は
少し心の闇が晴れた気がした
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作者名：藍 | 作成日時：2017年5月12日 13時
