標的106 ページ13
＊
「──なにッ？それは真か！！」
翌朝。
せっかくの穏やかな眠りは、突如響き渡った大声によって遮られた。
な、なんだ、今の……！？
慌てて飛び起き、辺りに耳を澄ます。
どうやら声はとなりの客間から聞こえているらしい。
ソファにあったカーディガンを羽織り、廊下への扉を開ける。
……聞いたことあるぞ、この暑苦しい感じ。
昨夜のスクアーロの言葉も相まって、予想はやがて確信へと変わった。
扉の向こうから、今なお聞こえる話し声。
音を立てぬよう、そっとドアノブに手をかける。
「おお！Aではないか！」
「……どうも」
──笹川了平。
扉を開けた瞬間飛んできた熱量に圧倒されつつ、私は小さく会釈を返した。
「あら、起こしちゃった？」
「おはようルッス姐。スクアーロも」
「ハッ、いつまでも呑気に寝てんじゃねーぜぇ」
その言葉に時計を見やれば、針が指すのは午前6時過ぎ。二度寝しようかな。
ふわ、とあくびをした私を一瞥して、スクアーロは了平へと向き直った。
「つーわけだぁ。この通り、こいつらは10年前と入れ替わってやがる」
「うむ、確かに縮んでいる……これは認めざるを得んな」
私の頭からつま先を眺め、険しい顔で腕を組む了平。
スーツをかっちりと着こなし、かつて見たボクシング部での荒々しさは今や鳴りを潜めている。
「あの、どうしてここに？」
「ああ。先日、過去から来たお前たちの情報がボンゴレ本部に届いてな。真偽を確かめるため、こうしてオレが直接出向いたのだ」
……確かにタイムリープなんて、あまりにも突飛すぎだ。
こちらをかき乱すための罠、という可能性だって充分にある。
「だが、事実だとするといよいよ……急がねばならん」
「？何かあるんですか？」
そう言うと、了平は難しい表情のまま、こちらへ視線を投げた。
「実は現在、極秘の大規模作戦が進行していてな」
「当然、ヴァリアーも任務にあたる。オレらはあくまで、9代目の部隊としてだがなぁ」
好戦的なスクアーロの声に、静かに頷くルッスーリア。
作戦、って──
「ボンゴレと、その同盟ファミリーによる──ミルフィオーレ各国主要施設の破壊。もちろん、日本支部も例外ではない」
「え……でも今、向こうにいるのは」
10年前のツナたちだ。
状況があまりに悪すぎる。
それは誰が見ても、一目瞭然の戦力差だった。
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オウリ(プロフ) - こまりさん» ありがとうございます~！近いうちに続編公開するのでお待ちください！ (6月14日 12時) (
レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
こまり - 凄く面白いです！続きが気になります…🤔 (6月14日 5時) (レス) id: fd7a7e37b1 (このIDを非表示/違反報告)
七粍(プロフ) - きーち1さん» お返事遅くなりました…！コメントありがとうございます^^*おかわりどうぞ！！！(笑) (2022年3月27日 21時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
きーち1(プロフ) - 展開、設定めちゃくちゃ好きです！！ご馳走様です！！続き早く読みたいです！！おかわりください！！！！！ (2022年2月28日 6時) (レス) id: a03c85b354 (このIDを非表示/違反報告)
微々(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます〜！！^^*私もサクサク更新できるように頑張ります…！ (2021年11月18日 11時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オウリ | 作成日時：2020年11月29日 23時
