標的119 ページ26
＊
そうして連れて来られたのは、B8Fのトレーニングルームだった。
地下とは思えないほどの広さに、呆然と天井を見上げる私。
直後、正面から飛んできた咳払いに、慌てて背筋を正す。
「改めて──オレの名はラル・ミルチ。と言っても、お前はすでに知っているだろうがな」
「はい。10年前から、門外顧問機関での活躍は耳にしています」
ボンゴレ独立諜報組織“CEDEF”。
ツナの父親である沢田家光率いる、ボンゴレであってボンゴレでない者たち。
……もっとも、私の知ってるラルは赤ん坊の姿だったけど。
「そうか。オレも聞いているぞ。何せ、あの悪名高いヴァリアーの幹部だからな」
「っちょ、ラル！」
彼女が棘を放った瞬間、後ろからツナの慌てた声が飛んできた。
そのとなりには山本と獄寺の姿。
4人をまとめて連れてきたラルが、私たちを見下ろすように鼻を鳴らす。
「とりあえず情報共有だ。まずは、お前がこの時代に来てからのことを教えろ」
──“全て”、な。
それは、どこか疑心を含んだ物言いだった。
謎の敵対心に違和感を覚えつつ、これまでの経緯を包み隠さず報告する。
白蘭の元で目覚めたこと、骸と接触したこと、ヴァリアーの本拠地からこのアジトへやって来たこと。
話が進むにつれ、徐々に青ざめていく者が約1名。
「ちょ……ッと待ってA、び、白蘭と会った……っていうか、しばらく一緒に過ごしてたって何！？」
「うん、こっちもびっくりしたよ。まさか相手が敵のボスだったなんて」
「肝据わりすぎーー！！？」
私だって、正体を知ってたらそんな呑気はしてなかった。
……けど、気づけるわけもなかったんだ。
あいつは初めからめちゃくちゃだったけれど。
──敵意が、なかったから。
「おい、何か手に入れた情報はないのか。敵の情勢とか、ボスの弱点とか……」
「んー……しいて言うなら、マシュマロ大好き少年、って感じですかね」
「「マシュマロ？？」」
うん。それは間違いない。
……って、あれ。
私、今なんで“少年”って──
「？A？」
「……いや。なんでも」
こちらを覗き込むツナに、小さく首を振る。
……そうか。
ずっとあいつに感じていた、違和感の正体。
あの、不気味なまでの無邪気さは──
「(──……
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オウリ(プロフ) - こまりさん» ありがとうございます~！近いうちに続編公開するのでお待ちください！ (6月14日 12時) (
レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
こまり - 凄く面白いです！続きが気になります…🤔 (6月14日 5時) (レス) id: fd7a7e37b1 (このIDを非表示/違反報告)
七粍(プロフ) - きーち1さん» お返事遅くなりました…！コメントありがとうございます^^*おかわりどうぞ！！！(笑) (2022年3月27日 21時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
きーち1(プロフ) - 展開、設定めちゃくちゃ好きです！！ご馳走様です！！続き早く読みたいです！！おかわりください！！！！！ (2022年2月28日 6時) (レス) id: a03c85b354 (このIDを非表示/違反報告)
微々(プロフ) - フランとベルさん» ありがとうございます〜！！^^*私もサクサク更新できるように頑張ります…！ (2021年11月18日 11時) (レス) id: d69433a459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オウリ | 作成日時：2020年11月29日 23時
