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「──いッ、つつ……ん?」
「む。Aか」

並盛ホテルに戻り、医務室へ運ばれた私。
手当を終え部屋を出ると、となりの第二医務室から出てきたレヴィと鉢合わせた。

「お疲れ。1勝おめでとう」
「フン、当然だろう」

相変わらずブサイクだが、満更でもなさそうだ。ブサイクだが。

並んで歩きながら、私の包帯にレヴィが顔をしかめる。

「お前は無駄な傷を負ったな」
「まぁ……今回私は戦わないからいいんだよ。女性に手ぇあげるボス見たかった?」
「ぐ……」

ボスにそんなこと求めてないが、仮にもイタリアーノなんだ。
私は……まぁ、ノーカウントで。

何やら葛藤するレヴィをよそに、やがてエレベーターが到着を告げた。

「お、戻って来……ってお前もいんのかよ、レヴィ」
「なんだと!」
「まぁまぁ。ベルもそう言うなって」

扉が開くなり飛んできた舌打ちに、性懲りもなく血相を変えるレヴィ。
まったく……ふたりとも、もう少し仲良くできないのか。

……今は、いつも仲介してくれるルッス姐はいないんだから。

怪我をしていて張り合いがなかったのか、ベルはつまらなそうに腕を組んだ。

「それよりさぁ、オレの相手ってどんな奴?」
「気になるの?珍しいね」
「ま、知っといて損はねーっしょ」

普段、敵の情報なんて気にせずサクサク()ってるのに……
ベルにとっても、この戦いはそれ程大きなものなんだろうか。

「向こうの嵐の守護者は獄寺隼人──スモーキンボム、って言えば分かるよね」

ダイナマイト使いの殺し屋で、ツナの(自称)右腕。

……正直、私はあいつが苦手だ。
この1ヶ月──何かある度因縁をつけられ、その都度ツナにたしなめられていた獄寺。

新入りの私が気に食わなかったんだろう。
だけど結果的に、その警戒心は正しかったわけだ。

やっぱり裏社会で生きてきただけあって、そういった感覚は優れているらしい。

「ふーん。ま、結局殺すから関係ないんだけど。だってオレ」
「王子だもん、ね」
「セリフ取んなし」

ベルは口をとがらせると、ぴょん、と立ち上がり。

「どっか行くの?」
「ししっ、いつもの〜」

じゃーね、と愉しそうに手を振るベル。
そのまま、窓の外へと消えてしまった。

……またご当地の殺し屋を消しに行ったな。
次が出番だってのに……

明日の戦い……一体、どうなるんだろうか。

そんなことを考えながら、私はベルの消えた窓の外をぼんやりと眺めていた。

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オウリ(プロフ) - ドクさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです…!更新頑張ります*¨̮* (11月1日 23時) (レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - こういうのむちゃくちゃ好きです。更新頑張ってくださいね!(追記 ヴァリアー全員の株がむちゃくちゃ上がった。こういうの大好きです) (10月21日 18時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
俺夢ZUN(プロフ) - 初めまして! 「私の鼓膜を返して・・・・・・」のパワーワード最高すぎますw (2021年3月27日 20時) (レス) id: 6d2ad26137 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オウリ | 作成日時:2020年8月27日 16時

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