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──熱い。

「Aッ!!」

真っ先に聞こえた声。
……敵の心配なんてするなよ、ツナ。

「っ…………大、丈夫?」
「申し訳、ありません」

あくまで冷静なチェルベッロに笑いかける。
どうやら彼女は無事で済んだらしい。


無事じゃないのは、彼女を庇った私の方だった。


焦げた匂いがする。
高い耐熱性を持つこの隊服でも、さすがにボスの炎の前ではただの布同然か。

焼けた背中の熱を噛み締めながら、私はなんとか身体を起こした。

「……ちょ、ボスぅ……?っはは、あんたが、手ぇ出すまでもないって……」

刺すような痛みに言葉を詰まらせつつ、給水塔の上を見上げる。

……あーあ、なに、やってんだろ。
でもほら、こういうのって心象悪いじゃん?
やっぱボスには毅然としていてもらわないと……なんて。

一体なんの言い訳だ、これは。

「おい。続けろ」

ザンザスはこちらをつまらなそうに一瞥すると、チェルベッロに目配せをした。

「それでは勝負の結果を発表します。今回の守護者対決は、沢田氏の妨害によりレヴィ・ア・タンの勝利とし、雷のリングならびに大空のリングは、ヴァリアー側のものとなります」

その審判にどよめくツナたち。
……これで、大空もこちらのものだ。

「喜べ雑魚共。残りの勝負、万が一お前らが勝ち越すようなことがあれば、ボンゴレリングもボスの地位も全てくれてやる」

圧倒的な自信と、それに伴う実力あっての発言。
彼にはもはや、勝利しか見えていなかった。

「だが負ければ……お前の大切なもんは全て、消える」
「た……大切なもの、全て……!?」

文字通り、消える。


……ツナの大切なもの、か。


「女、いいぞ」
「はい。では次回の対戦カードを発表します」

「明日の対戦は──嵐の守護者の対決です」

その宣言に無邪気な笑みを浮かべるベル。
役目を終えたチェルベッロは、颯爽と姿を消した。

……私も行かないと。

立ち上がろうと息を吸う。
しかし背中の痛みが邪魔をして、上手く足に力が入らない。

「A!」
「おいッ、大丈夫か!?」

その声に、はっと顔を上げた先──駆け寄って来るツナと山本の姿。


「…………っ、来るな!」


ざあ、と勢いを増す豪雨。

突然の大声は激痛となり、傷口が悲鳴をあげる。

「ゔ、ッ──」
「っ……A……」

ツナの心配そうな声。
もう、やめてくれ。

……それが何より苦痛なんだ。

耐え難い空気の中。
私はモスカに抱えられ、静かにその場を後にした。

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オウリ(プロフ) - ドクさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです…!更新頑張ります*¨̮* (11月1日 23時) (レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - こういうのむちゃくちゃ好きです。更新頑張ってくださいね!(追記 ヴァリアー全員の株がむちゃくちゃ上がった。こういうの大好きです) (10月21日 18時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
俺夢ZUN(プロフ) - 初めまして! 「私の鼓膜を返して・・・・・・」のパワーワード最高すぎますw (2021年3月27日 20時) (レス) id: 6d2ad26137 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オウリ | 作成日時:2020年8月27日 16時

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