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標的20 ページ27





「……遅い」

深夜の並盛中学校。
私たちが到着してから、しばらく経った頃だった。

「遅い、遅いぞ!何をしているのだ奴らは!」
「黙って待ってろカミナリオヤジ」
「なぬッ!?」
「まぁまぁ、そう焦らないの」

さっそく苛立ち始めたレヴィ。
堪え性のない彼がベルに掴みかかろうとするのを、ルッスーリアは慣れた口調でなだめた。

……いつも通りすぎる。
緊張感とかないんだろうか。

「フン──そういえば貴様、いつまで男装などしているのだ」
「え?」

微笑ましく彼らのやり取りを眺めていた、そんな時だった。
突然こちらを向いた矛先に、思わずまばたきを繰り返して言う。

「いや……なんか慣れちゃってさ。こっちの方が楽かなって」
「あら、いいじゃない。Aちゃんはどんな格好しても似合うわよ」

だってアタシがプロデュースしたんだもの〜!と、腰をくねらせるルッスーリア。
苦笑いを浮かべつつ、手元の時計に目を落とす。

……時間まであともう少し、か。

昨夜からあまり眠れていなかった私は、すでに疲労困憊だった。
再び始まった言い合いを後目に、チラ、と反対側へ目をやる。

「ねぇ」
「……あぁ?」

返事の主は、無言で辺りを警戒していたスクアーロ。
レヴィたちに聞こえぬよう僅かに身を寄せ、私はひとつある問いを投げた。

「この間、スクアーロが日本に来た時──なんで私まで襲撃したの?」

リングを奪う目的なら、私と戦う必要はなかったはずだ。
容赦なくやってくれちゃって……

結局謎のままだった疑問に、スクアーロはあぁ、と鼻で笑う。

「あん時ゃ……いっつもヘラヘラしてやがるお前が、珍しく面白ぇ顔してたからなぁ」
「え?」

「お前の本気が見られるかと思ったんだが」

どういう意味、と口を開きかけたその時だった。

「みんなー!」

聞き慣れた声に、はっと校舎の下を見やる。
そこにはいつの間にか、ツナたちの姿があった。

「来たかぁ、カス共」
「ようやくお出ましだな」

戦い前だというのに、彼らの雰囲気はいつもと変わらない。

……つい昨日まで一緒にいたのが信じられないや。

「静かだね……」
「奴ら、まだ来てねーのかな」

「とっくにスタンバイしてますよ」

チェルベッロの言葉に、上を見上げるツナたち。

「厳正なる協議の結果、今宵のリング争奪戦の対戦カードが決まりました」
「第1戦は──晴の守護者同士の対決です」

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オウリ(プロフ) - ドクさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです…!更新頑張ります*¨̮* (11月1日 23時) (レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - こういうのむちゃくちゃ好きです。更新頑張ってくださいね!(追記 ヴァリアー全員の株がむちゃくちゃ上がった。こういうの大好きです) (10月21日 18時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
俺夢ZUN(プロフ) - 初めまして! 「私の鼓膜を返して・・・・・・」のパワーワード最高すぎますw (2021年3月27日 20時) (レス) id: 6d2ad26137 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オウリ | 作成日時:2020年8月27日 16時

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