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標的18 ページ25





並盛ホテル、VIPルーム。
最上階を丸ごと貸し切った、スイートルームより更に上級の最高客室。

そこが私たちの拠点だった。

「──おかえりなさいAちゃん!1ヶ月もの単独任務なんて、心配してたのよ〜?」
「はは、大袈裟だよ。ただいまルッス姐」
「フン。お前などいなくても、オレたちの仕事に支障はなかったがな」

とりあえずレヴィは無視しておこう。

しばらくぶりの仲間の姿に、ほっと安堵感を覚える。
と、ふいにルッスーリアが首を傾げた。

「あら、どうしたの。なんだか元気ないじゃない?」
「え?いや……別に」

そんなことないよ、と笑ってみせる。
しかし、こういう時の彼は頑固なのだ。

「んもぅ、誤魔化したってムダよ!あなた、分かりやすいんだから」
「はは、暗殺者としてどうなのそれ……」

あまりの世話焼きに、思わず苦笑をもらす。

……殺しもない、楽な仕事だったのに。
やっぱり潜入任務はきらいだ、と深く息を吐いた。

「そういえば、マーモンとスクアーロは?」
「スクアーロはボスとお話し中よ。マーモンは……どこ行ったのかしらね?」
「しし、どーせ金儲けだろ」

興味なさげにナイフを弄るベル。
スクアーロにはあとで文句のひとつも言ってやろうと思っていた──その時。

大きな音をたて、部屋の扉が勢いよく開かれた。

「あら、おかえり。ボスは?」
「『オレは寝る』だと。ったく……」

がしがしと頭を掻きながら悪態をつくスクアーロ。
そのまま豪快にソファへ腰掛け、そばにあった葡萄酒をボトルのまま飲み干す。

「そうだ。ほらよ」
「え?わっ!」

その声とともに、突然“何か”が投げつけられた。
咄嗟に受け止めたそれは──とある銀色のアタッシュケース。

「よかった、持ってきてくれたんだ。ありがとう」
「たりめーだぁ。一応確認しとけ」

スクアーロが言い終わるより先に、すぐさま箱を開く。

そこには愛用の“光線銃”が収められていた。

──私の戦闘スタイルは、狙撃による中距離支援型だ。
この銃は、死ぬ気の炎を超圧縮エネルギーに変換しレーザーを撃ち出す、私専用の武器。

日本へ来る際、少しでもリスクを減らすために本部へ置いていったものだ。

試しに、スクアーロが空にしたビンに向け──トリガーを引く。

「うん、問題ないな」
「ゔぉい!危ねぇだろーがぁ!」

空間を割く蒼白い光線。
粉々になったガラスの破片が、辺り一面に飛び散った。

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オウリ(プロフ) - ドクさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです…!更新頑張ります*¨̮* (11月1日 23時) (レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - こういうのむちゃくちゃ好きです。更新頑張ってくださいね!(追記 ヴァリアー全員の株がむちゃくちゃ上がった。こういうの大好きです) (10月21日 18時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
俺夢ZUN(プロフ) - 初めまして! 「私の鼓膜を返して・・・・・・」のパワーワード最高すぎますw (2021年3月27日 20時) (レス) id: 6d2ad26137 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オウリ | 作成日時:2020年8月27日 16時

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