標的11 ページ18
「託された、って……」
どういう意味だ？
困惑するオレにリボーンは続ける。
「ボンゴレリングは本来、上層部の選んだ後継者に授けられる。だが雪のリングをツナに授けたってことは、すなわち──“自分の守護者は自分で決めろ”ってことだろうな」
「ふーん…………はぁあ！？」
数秒の間の後、オレは思わず声をあげた。
いや、いきなりそんなこと言われたって……！
「む、ムリだよ！大体なんで雪だけ、オレが選ばなきゃいけないんだ！？」
「仕方ねーだろ。そう決めたのはオレじゃねぇ」
そんなぁ……！
オレが、このリングを誰かに……？
「ちなみに、雪の守護者も鍛えなきゃなんねーからな。今日中に探せよ」
「なッ！おい、リボーン！」
リボーンはそれだけ言うと、窓枠にぴょん、と飛び乗り。
「いいかツナ、難しいこと考えんな。お前にはちゃんと、信頼できる仲間がいるはずだ」
そう残して、どこかへ行ってしまった。
＊
「──それで、ここへ来たと……」
ひとまず部屋へ移り、経緯を聞くこと数刻。
ツナが小さく頷く。
その瞳は、終始不安げに揺れていた。
「本当は……Aをこんなことに巻き込みたくないんだ。でも、オレ……君以外、思いつかなくて……」
申し訳なさそうに、雪のリングへ目を落とすツナ。
「い、嫌だったら全然断ってくれていいんだ！というか嫌だよな……マフィアの抗争なんて……」
……迷っている。
友達を危険な目に合わせたくない──大方、そんなことを考えているんだろう。
「いいよ」
「え？」
だから、甘いんだ。
「ツナの守護者になるよ。選んでくれてありがとう、ツナ」
「A……！」
ぱっと笑顔を浮かべるツナ。
こちらもニコリと笑みを貼り付け、雪のリングを受け取った。
「それじゃオレ、これから特訓あるから……もう行くね」
「うん。お互い頑張ろう、10日後に向けて」
そそくさと去っていく背中に振る手。
ドアが閉まる音と同時に、その動きはピタリと止まる。
静まった部屋の中、私はポケットから片割れのハーフボンゴレリングを取り出した。
──カチリ、と小気味のよい音をたて、リングはひとつになる。
「本当に、ありがとうツナ」
……まさか向こうからやって来るとは。
1ヶ月も潜入した甲斐があった。
これでようやく……はっきりと言える。
──私はヴァリアー、雪の守護者だ。
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オウリ(プロフ) - ドクさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです…！更新頑張ります*¨̮* (11月1日 23時) (
レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - こういうのむちゃくちゃ好きです。更新頑張ってくださいね！（追記 ヴァリアー全員の株がむちゃくちゃ上がった。こういうの大好きです） (10月21日 18時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
俺夢ZUN(プロフ) - 初めまして！ 「私の鼓膜を返して･･････」のパワーワード最高すぎますw (2021年3月27日 20時) (レス) id: 6d2ad26137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オウリ | 作成日時：2020年8月27日 16時
