標的7 ページ14
「あっ、A!」
「……ツナ?」
突然の呼び出しに下へと降りてみれば、そこにいたのは見知った顔だった。
「聞いてはいたけど、ほんとにホテル暮らしなんだ!羨ましいな〜!」
興味津々といった表情で、ぐるりとロビーを見渡すツナ。
……珍しくリボーンの姿はない。
「どうしたの?わざわざこんなところまで」
「いやぁ……その、ちょっと話があって」
ツナはそう言うと、辺りを警戒するように視線を泳がせた。
どうやら、何か大事な用があるらしい。
実は、と首元からチェーンを覗かせる。
……ツナ、ペンダントなんかしてたっけ?
「これのことなんだけど」
そう言いながら引っ張り出した鎖の先。
ちゃり、と揺れた
どうして──リングを“ふたつ”持ってるんだ。
*
──時は少しさかのぼり。
ロン毛の襲撃から一夜明け、オレはランボの笑い声で目を覚ました。
「ガハハハ!たかいたかーーい!」
「高ーーッ!?」
二階の窓から見えたランボの姿に驚いてベッドから転げ落ちる。
な……なにやってんのーー!?
「ぐぴゃ!!うわああ〜!!」
「ごめんなぁ〜よそ見してた」
この声……父さんだ。
あいつ帰ってきて早々、ふざけたことばっかりやって……
「そーだ、痛み止めの魔法の水をやろう!」
!?
「ランボに酒飲ますなって!!」
「うおっス、ツナ〜!」
とんでもないセリフに慌てて階段を駆け下りる。
庭には、相変わらずアホ面の父さんがいた。
「お前、父さん帰ってからずっと寝てんだもん……避けられてんのかと思ってブロークンハートだったぞぅ」
「一日中寝てたのは自分だろーー!?」
内心うんざりしているオレを、でかい声で笑い飛ばす父さん。
こっちは昨日、色々あって大変だったんだぞ!
人の気も知らないで……
「おっ?なんだツナ、色気づいてんな。それペンダントだろ?」
「は、はぁ?」
そう言うと、父さんはからかうようにオレの肩を叩いた。
何を言ってるのか分からず、首元に目を落とす。
「んなあ!?こ、これって……!!?」
胸元で揺れる──
自分の首から下がる代物に、サッと血の気が引いていくのを感じる。
「なんだツナ?青い顔して。何でも相談に乗るぞ」
「それどころじゃないよ!!」
父さんに言っても仕方ないから!
こんなことするのはひとりしかいない。
オレは勢いよく、自室のドアを開けた。
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オウリ(プロフ) - ドクさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです…!更新頑張ります*¨̮* (11月1日 23時) (レス) id: df42654abf (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - こういうのむちゃくちゃ好きです。更新頑張ってくださいね!(追記 ヴァリアー全員の株がむちゃくちゃ上がった。こういうの大好きです) (10月21日 18時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
俺夢ZUN(プロフ) - 初めまして! 「私の鼓膜を返して・・・・・・」のパワーワード最高すぎますw (2021年3月27日 20時) (レス) id: 6d2ad26137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オウリ | 作成日時:2020年8月27日 16時