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こんぴーからお玉と席を奪ってあくを取りながら温度を調整する。
｢そろそろ水菜入れていいんじゃない？｣
｢流しに置いてるから持ってきて｣
｢嶺亜くんよろ｣
｢はーいはい｣
それぞれ缶をぷしゅっとあけて乾杯をする。
｢じゃあ、乾杯｣
｢かんぱーい｣
｢っあーー、生き返る…｣
久々に飲むビールは格別だ。
寒い冬、暖かい部屋で熱い鍋を食べながらキンキンに冷えたビール。温度のミルフィーユ状態でたまらん贅沢。
そんな私を見てこんぴはふっと笑った。
｢そりゃよかった｣
｢にしてもこんぴがこんなに用意してくれるなんて珍しい、私それだけでうれしい｣
｢まあ嶺亜くんが結構やってくれたんだけどね｣
｢嶺亜様様じゃん｣
｢嶺亜様って呼んでも全然構わないけど｣
｢呼ばないけど…｣
かわいい缶チューハイ、ではなく焼酎ハイボールを飲みながらこちらを睨み付けるでもなくただ冷たい目で見る嶺亜くんは確かに様付けが似合う。
｢ていうかもう2年になったのにまだ矢花に会ってないのウケるよな｣
｢俺ら散々一緒にいるのに｣
｢お前のタイミングが悪いんだよ｣
｢いつも籠るからな｣
｢…あんた達だって籠るでしょうよ｣
｢お前ほどじゃない。てか飲めよ、こんだけ持ってきたんだからさ｣
「はいはい遠慮なく！！」
嶺亜様の煽りで私はどんどんビールを流し込んでいった。
そして私は久々に記憶を飛ばしたのだった。
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作者名：雪 | 作成日時：2022年9月24日 0時
