【名探偵コナン】アリスは平凡を御所望します！

常連客 ページ4

喫茶店アリスはモーニングに来るお客様とランチが多い。
特に多いのはランチ時。


そのお客様の大半は決まっている。


「Aちゃん、、アメリカンで」

「はい。かしこまりました」

警視庁刑事部捜査二課知能犯捜査係所属中森銀三さん。
いつもランチを食べに来てくださり、時々娘の青子ちゃんも一緒にモーニングを食べに来てくれることもある。


「今日の日替わりはなんだ？」

「今日の日替わりはコロッケですよ」


「じゃあご飯大盛りで！」

「かしこまりました」


軽食もそこそこ人気だけど、ご飯もので日替わり定食は常連客の刑事さんにも大人気だった。


「どうぞ」

「いやぁ〜！この香りいいね！」

コロッケが大好きな銀三おじ様は父子家庭なのに男で一つで青子ちゃんを育てている。


「そういや今度また青子に勉強見てくれねぇか？」

「ええかまいませんが、青子ちゃんは優等生ですのに」

「今度こそ快斗君に勝つらしいぞ」


「あはは…」


青子ちゃんは優等生だけどその上を行く快斗。
いつも勝とうと必死だった。


「でもおじ様も大変ですよね」

「ん？」

「最近青子ちゃんはますます可愛くなって…悪い虫がつきませんか？」

「ぐふっ！」

ご飯をのどに詰まらせてしまう。

「大丈夫ですか？」

「ゲホッ…いや、心配といえば」

銀三おじ様がじっと私を見る。

どうしたのかしら？


もしかして既に悪い虫がいるのかと思った矢先に扉が開く。



「A君、やっているか…」

「タヌキ！！」


「誰がタヌキだ！！」



タイミング悪く今日も鉢合わせ。
査一課の警部目暮警部と顔を合わせてはケンカをする。


これも通常運転だった。


「何故昼食にお前の顔を見なくてはならないんだ！」

「その言葉そっくりそのまま返してくれる！」

お二人は同期らしく本当に仲が悪い。


「目暮警部、何いたしましょう？」

「今日の日替わりをくれるかね」

「かしこまりました」


目暮警部も日替わりを頼むのが日課った。



「おまたせしました」

「これだ、これ…ここの日替わりを食わんと力がでんからな！」

「ケッ…」

悪態をつきながらもご飯を掻っ込む。

「食後のコーヒーです」

「おお、気が利くな」

食後は絶対にコーヒーを飲む銀三おじ様に対して、目暮警部はというと。


「食前のアイスコーヒーです」

「ありがとう」

目暮警部は食事前に飲むのがルールになっていた。



でも二人は絶対に同じメニューを頼む当たり仲良しなのよね。

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