第九話〜焼けた刀 ページ10
燃え盛る炎の中
全てが灰となって消え失せる
その都度思い出すのはあの記憶
大切なあの人が私を呼ぶあの声
『Aぉーーー！！』
ガバッ！！
「はっ…はぁ…はぁ」
またあの夢を見た
「主？」
「何でもないわ」
幾度となく繰り返し見るあの夢
炎の中に消えて行った愛おしいあの人
「少し夜風に当たって来るわ」
「わかった…あまり遠くに行かないでね？」
「ええ」
羽織をかけて外に出て行く
未だに春はこず寒い日が続いている
少し遠くまで歩いて行くと
カラン！
打ち捨てられた刀を見つける
「香耶ね…」
遠征先で拾った刀をそのまま捨てたのだと思った
こんなところに放置すれば刀が凍りついて刃が砕けてしまうのに
「私と一緒に帰りましょう」
刀を持ち帰ると
「主、また何か拾って来たのかい？」
「主体を冷やすなと言っているだろう」
寝てていいと言ったのに起きて待っててくれたようだ
貞に至っては膝丸におんぶをされている
「散歩をしていたら捨てられていたの」
「脇差…それにしても酷いな」
氷は私の霊力で溶けたけど刃がボロボロだった
刃の部分に触れ霊力を注ぐと
「俺は、骨喰藤四郎。振るえば骨喰む鋭き刃」
新たな刀剣男士の登場だった
「わぁ、新しい子だね」
早速絡む髭切だったが
表情を変えずにただ見つけるだけ
「君は前の主が足利家にいた時は同じ主に仕えていたよね？」
「そうだな、俺達は共に戦うことはなかったが…三日月とは懇意な関係だったな」
二人が懐かしむように話しながらも私も笑みがこぼれた
こうして会うのは初めてだけど彼がいつも語ってくれたのを思えている
「記憶にあるのは、炎だけ。炎が俺の何もかもを焼いたようだ」
哀し気な表情で告げる
記憶はなく、記憶にあるのは焼かれた時の記憶のみだと言う
「まぁ、忘れちゃったものはしょうがないよ？楽しく気楽に行こう！僕も過去のことはお茶漬けに流しているから」
「兄者ぁぁぁあ！！」
重たい空気を一瞬で壊す髭切は相変わらずだ
兄の自由過ぎる態度に膝丸はいつものように胃を抑えている
「よろしくね骨喰藤四郎」
「…触るな」
パシッ！
ポンと肩に触れようとしたら手を振り払われる
「なっ！」
「おやおや」
そっぽを向く骨喰はそのまま顔を俯かせせるが
「可愛い…」
「えっ？」
私の中でスイッチが入った
「ツンデレなの？可愛いわ」
「えっ…ちょっと！！」
すごく可愛い
きっと照れ屋さんなんだと思うと可愛くて仕方なかった
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藤四郎(プロフ) - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください！……鯰尾ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！いいぞもっとやれ← (2018年12月22日 16時) (
レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - ユウさん» ええっ？！いいところで次の話まで待つのですか？！早く続きが読みたいです！！更新、頑張って下さい！！！！！！政府と妹に関しては監査に捕まればいいのにと思ってます。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
NaA - すみません、名前の所が途中から(さにわ名)になっています！！ (2017年11月29日 22時) (レス) id: 9e11f50eb6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜叉丸 - とても面白かったです！続きを楽しみにしてます(＾ω＾) (2017年11月9日 19時) (レス) id: 72359a84c1 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ○ちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がストップして申し訳ありません！ (2017年11月1日 22時) (レス) id: 8f35720166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2017年10月4日 18時
