第八話〜天命 ページ9
いきなり泣き出す鯰尾に私は困り果てる
「おい男が泣くんじゃない」
「お前男の癖に泣き虫だな!!」
ボロボロと涙を流す鯰尾を私は抱き上げ膝に乗せる
「あああ!!ずるい!そこは俺の特等席!!」
「君はもう少し空気を空気を読もうね」
貞の首根っこを掴む髭切はこういう時だけ空気を読んでくれるので本当に助かる
「よしよし」
「俺子供じゃない」
年齢的に言えば私よりずっと年上だけど、みてくれは小さい
「おい、今すぐ変われ!!お前は自分の主にしてもらえばいいだろ!!俺の主だぞ!!」
「お前ではなく“俺達”だろう」
さりげなく細かい膝丸だったけど貞はキッと涙目で睨む
「こっちがいい」
「おや?」
「はーなーれーろー!!」
いつの間にか私にしがみつく鯰尾にさらに機嫌を悪くした貞は無理矢理引きはがそうとしたが、何故私にしがみつく可愛いからいいけど
「俺ここがいい」
「はい?」
「ここの刀剣男士になりたい…あそこに帰りたくない」
私にしがみつく鯰尾は今にも消えそうな声で言い放つ
震える手で握りしめられた手を私は握る
「貴方の主はあの子よ」
「あそこに帰りたくない
兄弟が折られてボロボロになるのを見るのが嫌だ…怖い」
「鯰尾、貴方はもっと強い刀のはずよ」
フルフルと頭を横に振る
傷つきすぎた鯰尾は精神的に参っているのか
「私は貴方の心の傷を癒すことはできないわその傷は時間が解決するんじゃない…自分で乗り越えなくてはいけないの」
心の傷は消えることがない
でも乗り越えるかは自分自身
「鯰尾、貴方に守りたいモノはある?」
「えっ?」
「人は弱い生き物よ?すぐに壊れてしまうけど、守りたいモノの為なら強くなれるの」
私の守りたいモノは
「私は私が守りたいモノの為に戦います
例えそれが孤独な道であっても、その道をまっすぐ進みます」
今も眠り続けている私の大切な付喪神様
「女の進む道は一本道、引き返すことは恥でございます」
私の進むべき道は今も昔も一つだった
「俺は貴方のように強くなれますか?」
「それはあなた次第ね?」
でもこれだけははっきりしていた
「この世に生まれて必要ない命はないわ」
「っ!!」
無駄なものは何一つないのだから
「ふっ…グズッ…」
零れた涙はとても綺麗で
今まで苦しんでいた鯰尾がようやく吐き出せた弱音だった
「よしよし、辛かったね」
「だから主にくっつくな!しがみつくな!!」
背後で貞が怒っているけど私は鯰尾を抱きしめた
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藤四郎(プロフ) - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください!……鯰尾ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!いいぞもっとやれ← (2018年12月22日 16時) (レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - ユウさん» ええっ?!いいところで次の話まで待つのですか?!早く続きが読みたいです!!更新、頑張って下さい!!!!!!政府と妹に関しては監査に捕まればいいのにと思ってます。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
NaA - すみません、名前の所が途中から(さにわ名)になっています!! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 9e11f50eb6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜叉丸 - とても面白かったです!続きを楽しみにしてます(^ω^) (2017年11月9日 19時) (レス) id: 72359a84c1 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ○ちゃんさん» コメントありがとうございます!更新がストップして申し訳ありません! (2017年11月1日 22時) (レス) id: 8f35720166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウ | 作成日時:2017年10月4日 18時