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第七話〜傷だらけの心 ページ8

本丸で偶然出会った脇差しの男の子

「お名前を教えてくれる?」

「鯰尾藤四郎」

俯きながらも名前を教えてくれた

「粟田口の脇差しね…粟田口は兄弟が多いと聞くけど脇差しはすくないから珍しいわ」

「でも所詮は脇差しだ」

暗い表情で自分を卑下している

「こら、辛気臭い顔をするんじゃんわよ?笑う門には福来りっていうでしょ?」

「そうそう!大雑把なに考えないとね!!」

「兄者は大雑把過ぎだ!!」

脇差しでも立派な戦力になるのに、どうしてこんなことを言うのかと思った矢先貞がお茶を入れてくれたけど

「主、お茶を入れたぞ」

「ありがとう貞…ねぇ、貞?私はお茶を入れてと言ったのよ…何でお茶に葉が浮いているの?」

湯呑の中にお茶の葉を入れていた
残り少ない貴重な茶葉を

「しかもなんか甘い」

「隠し味に蜂蜜を入れたんだ!!」

どうしてこうも貴重な食材を無駄にするのか

「主!美味いか?」

「…ええ」

今度からちゃんと教えよう
顕現してまだ一日目だし何も知らないんだろう

それに引き換え

「とにかく茶葉をもう一度使い直しだ…もったいない」

涙ぐましいほどの苦労人の膝丸
見ていて涙が流れるわ

「ようやく再会したと思えば兄者は『君誰?』だし」

涙を流しながら顕現された時のことを思い出す

「千年も刀をやっていると物忘れも激しくなるんだよね」

「俺のことを忘れても昨日の夕餉のことは覚えているのか!!」

温度差の激しい兄弟だけど
私と香耶も温度差はかなり激しいから人のことは言えないかも


それにしても一向に雨がやまないわね

「髭切、ちゃんと桶を外に置いてきた?」

「もちろんだよ、水は貴重だからね?」

井戸が枯れているので雨水をため込んで後で浄水して飲み水に使うつもりだ

「えっ?水?」

「井戸の水を止められているのよ…その所為で飲み水は常に雨水をタンクにためて浄水しているの」

「そんな…」

香耶は私をなんだと思っているだか?
いや、今更か?

私の霊力をタンクにして
利用できなくなったらその後のことは安易に想像できる

「何で笑ってるの!こんな酷いこと」

「そう言われても今更だし?」

「今更って…」

子供の頃から嫌がらせを受けて来た
私は前妻の子で香耶は後妻の子だから相いれないのは仕方ない

「まぁ水と油だから仕方ないわよ…気にしてもしょうがないわ」

私はそこまで気にしてないけど、何故か鯰尾は泣き出してしまった

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藤四郎(プロフ) - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください!……鯰尾ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!いいぞもっとやれ← (2018年12月22日 16時) (レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - ユウさん» ええっ?!いいところで次の話まで待つのですか?!早く続きが読みたいです!!更新、頑張って下さい!!!!!!政府と妹に関しては監査に捕まればいいのにと思ってます。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
NaA - すみません、名前の所が途中から(さにわ名)になっています!! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 9e11f50eb6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜叉丸 - とても面白かったです!続きを楽しみにしてます(^ω^) (2017年11月9日 19時) (レス) id: 72359a84c1 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ○ちゃんさん» コメントありがとうございます!更新がストップして申し訳ありません! (2017年11月1日 22時) (レス) id: 8f35720166 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユウ | 作成日時:2017年10月4日 18時

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