第六話〜優しい場所 ページ7
あの人に会って数日後
相変わらず主の暴力は続いた
まともに手入れをしてもらえず
特に短剣は装備も機動力もない為嫌われている
傷の手当てをしてやるしかない俺はそのまま薬草を探しに行っていると
ガサガサ！！
なんだ？
こんな朝早くに誰かいるのか？
「おーい主！よもぎってどれだぁ？」
「これ食べられないかな？」
見慣れない刀剣男士が草を千切っていた
「髭切！！何で毒キノコを採ってくるの！貞！それはトリカブトよ！今すぐ捨てなさい！」
背中に籠を背負っていたその人は
あの人だ！
「藤の君」
こっそり隠れ俺は様子を見ると
「兄者ぁぁぁ！！蜂の巣を持って来るな！！俺を殺す気か」
「まさかそんなつもりはないよ…えーっと髭切？」
「俺の名前は膝丸だ！髭切は兄者の名前だろう！」
巫女服で食べられる葉っぱや茸を探している
主は一切の食料をあの人に渡さず、まらお給金も主が全部奪っている所為で収入はない状態だ
なのに
「いいなぁ…すごく楽しそう」
食べるものも着るものないのに
あの人の刀剣男士は楽しそうに笑っていた
「はい食べて」
「ぶふっ！！」
「膝丸！！」
仲良く薬草や茸狩りを主と一緒にしたことなんてない
主に優しく手を引いてもらった記憶なんてない
「あれ？君は…」
ビクッ！！
見つかった！！
どうしよう！！
「こんなところで何しているの？君も茸を探しに来たの？」
「あっ…」
咎められるかと思ったら普通だった
それどころか俺がいるのが当たり前に接せられた
「残念だがこのあたりの茸は毒だ…そして兄者頼むから解毒剤…腹が痛い」
「ないよ？籠ひっくり返しちゃった」
「兄者ぁぁぁ！！くっ、腹が痛い！！」
俺はただそのやり取りを見ているだけしかできなかった
「脇差しさん、また会ったわね？何また苛められたの？」
「違う…」
まるで俺がいつも主に泣かされているような言い方だ
「なんだお前虐められているのか！」
「貞も常に髭切に泣かされてるじゃない？」
「泣いてない！！」
騒々しい空気に俺は羨ましくなる
寒いのに陽だまりのように温かく優しい場所だった
「天気が崩れるわ」
「えっ？」
空を見上げて告げる
こんなにいい天気なのに
「太陽の周りに嵩がかかったわ…雨の降る前兆よ」
「急いで帰るか」
その一時間後
太陽は隠れ雨が降り出した
「雨が止むまで雨宿りしていきなさい…何もないけど」
そう言いながら手拭いをかけてくれた手は傷だらけなのに優しかった
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藤四郎(プロフ) - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください！……鯰尾ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！いいぞもっとやれ← (2018年12月22日 16時) (
レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - ユウさん» ええっ？！いいところで次の話まで待つのですか？！早く続きが読みたいです！！更新、頑張って下さい！！！！！！政府と妹に関しては監査に捕まればいいのにと思ってます。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
NaA - すみません、名前の所が途中から(さにわ名)になっています！！ (2017年11月29日 22時) (レス) id: 9e11f50eb6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜叉丸 - とても面白かったです！続きを楽しみにしてます(＾ω＾) (2017年11月9日 19時) (レス) id: 72359a84c1 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ○ちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がストップして申し訳ありません！ (2017年11月1日 22時) (レス) id: 8f35720166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2017年10月4日 18時
