第三十七話折らせないで ページ38
この馬鹿のおかげで泣くのも安保らしくなった
「解ったからアンタは帰れ」
「嫌です」
ただ泣き顔を見られるなんて不愉快だから戻るように言ってもこの馬鹿は帰らない
「聞こえなかった？帰れと言ったのよ」
「俺は嫌だと言ったんです！だって貴方は泣きたくても泣こうとしません」
ああこの目が苦手だわ
どんなに拒絶してもつき纏ってくるこの目が
「何でそんな所は弟に似てんのよ」
「えっ？」
「薬研に似てるわアンタ」
思い出さないようにしていたのにこの馬鹿の言葉は似ている
「薬研？」
「私の懐刀だったわ…私が初めて顕現したのは薬研だった」
優しくて義理堅くてお節介だった
「私にとって薬研は…いいえ刀剣男士達は家族だった」
少ない刀剣男士
でも数だけろえた刀剣男士よりも結束力は固く強い絆で結ばれていた
「私の初期刀は山姥切で最初の顕現は薬研藤四郎、その後に来たのは大倶利伽羅、燭台切光忠に大典太光世、蛍丸で最後が三日月宗近だったわ」
「たったそれだけですか」
「少ないでしょ？でもね
私の宝物だった」
「っ！！」
彼等と過ごした時間があったから私は居場所を見い出し光を見い出した
私は彼等を支え彼等も私を支えてくれた
「どうしていなくなったんですか」
「取り上げられたのよ」
「えっ…」
あの日のことは一生忘れない
時の政府は香耶とグルになって私を嵌めた
計画的に私達を襲い案の定蛍丸は私を守るために庇い重傷を負い他の刀剣男士もそうだった
かろうじて私の霊力を注いだから刀自体は無事だったけど香耶に呪いで拘束されている
「そんな！」
「私はみんなを取り戻すために補佐としてここに来たわ。アンタの主は私の大事な家族を奪った…だから私はアンタの敵よ」
今までなれ合っていたけど
これ以上一緒にいることはできない
「今度の演習であの子は私を始末するでしょうね？見せしめとして」
「！！」
「私は逃げない。だからアンタはもう私の周りをウロチョロするじゃないわ」
私はアンタを折りたくない
薬研の兄であるアンタを折るなんてできない
だから離れて
「私にアンタを折らせないで」
お願いだから
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藤四郎(プロフ) - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください！……鯰尾ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！いいぞもっとやれ← (2018年12月22日 16時) (
レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - ユウさん» ええっ？！いいところで次の話まで待つのですか？！早く続きが読みたいです！！更新、頑張って下さい！！！！！！政府と妹に関しては監査に捕まればいいのにと思ってます。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
NaA - すみません、名前の所が途中から(さにわ名)になっています！！ (2017年11月29日 22時) (レス) id: 9e11f50eb6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜叉丸 - とても面白かったです！続きを楽しみにしてます(＾ω＾) (2017年11月9日 19時) (レス) id: 72359a84c1 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ○ちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がストップして申し訳ありません！ (2017年11月1日 22時) (レス) id: 8f35720166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2017年10月4日 18時
