第三十五話〜選択 ページ36
朝早く鯰尾兄の部屋に行くと
書置きが残されていた
「探さないでください」
短い文字で書かれていて
「これは…」
「家出だね」
「そうか」
いつもならもっと取り乱すいち兄はとても冷静だった
「秋田もいなかった…おそらく藤の館でしょうね」
「いち兄」
昨日の一件はもう他の刀剣達の耳に入っている
唯一入ってないと言うか信じていないのはあるじさんだけ
だってあるじさんは出来損ないにはできないなんて言っていた
「一期君、本当にお姉さんは最弱の審神者なのかな？」
「燭台切殿」
「常々思っていたんだ…彼女は政府からは審神者としての力が少ないと‥霊力だけが強い聞かされているけど」
「はい」
全国審神者界でも史上最弱の審神者といレッテルを貼られていると聞くけど
そうなのかな？
「じゃあどうして、貞ちゃんや髭切君たちは彼女に仕えているの？彼等を顕現できるなんて並大抵の審神者じゃ無理だ」
レア刀であるあの二振りを顕現するなんて審神者としての力が強くないと無理だし
「ましてや闇落ち寸前の刀を浄化だなんて」
「主の実家は陰陽師です
陰陽術に長けていますし姉君は守りの力が強いと伺っています」
「それってさ…攻撃力はないけど守る力が強いってことじゃない？」
「ああ…だがそれだけで浄化など」
「書物で呼んだことがある」
「歌仙君？」
僕達が話し合う中歌仙さんが現れる
「陰陽師家系で稀に特殊な力、異能を受け継ぐ巫女が生まれると…その力は守りの力。結界術を持つと…邪な魂を宥め清める言霊を持つ者と」
「その持ち主が姉君と？」
「根拠はないよ…でも彼女からは清廉な気を感じた」
確かに嫌な気を感じなかった
「僕が気になるのは主とは全く違う気を纏っていたことだよ」
「確かに、本当に血の通った姉妹なのか？」
離れ似た時も感じた
あの人は優しい人だった
審神者として真面目なのかと聞かれたら解らないけど
鯰尾兄はあの人をとても慕っていて
骨喰兄も大切にしているのがわかった
逆を返せばそれは、審神者に大切にされていると言う事
「骨喰兄、記憶がないのに嬉しそうだった…あの人といるとき幸せそうに笑ってた」
「乱…」
それが腹正しく感じて妬ましくて
どうしてって思った
僕達は辛い思いをしているのに
「近いうちに演習が行われる、そこで真実を見極めよう」
「はい」
「うん」
僕達には選択権はないかもしれない
でもこんな状況が続くなら
折れる選択を
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藤四郎(プロフ) - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください！……鯰尾ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！いいぞもっとやれ← (2018年12月22日 16時) (
レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - ユウさん» ええっ？！いいところで次の話まで待つのですか？！早く続きが読みたいです！！更新、頑張って下さい！！！！！！政府と妹に関しては監査に捕まればいいのにと思ってます。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
NaA - すみません、名前の所が途中から(さにわ名)になっています！！ (2017年11月29日 22時) (レス) id: 9e11f50eb6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜叉丸 - とても面白かったです！続きを楽しみにしてます(＾ω＾) (2017年11月9日 19時) (レス) id: 72359a84c1 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ○ちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がストップして申し訳ありません！ (2017年11月1日 22時) (レス) id: 8f35720166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2017年10月4日 18時
