第三十三〜懸想 ページ34
最初から惹かれていた
強い眼差しに苦難を耐えようとする覚悟の目に
だけど俺はそれを認めてはいけないと蓋をした
この人は人間で他所の審神者
相いれることはないと思っていたけど、俺の壁をぶち壊すように入って来る
俺が辛い時は絶妙なタイミングで助けてくれるけど無暗に手を貸そうとはしない
その癖優しくて、好きになるなんて無理だった
本当に強い人はこんな人のことを言うんだと思った
だから蓋をしようと思ったのに
秋田が闇落ちして折られるかもしれないと言う覚悟をした矢先(審神者名)は無謀にも秋田に向き合い救ってくれた
その時俺は意識を手放したが脇差しの中で意識はあったんだ
『涙はなんの力もない』
その言葉が俺の心に入って来て
まるで自分に言い聞かせているようにも聞こえた
この人は俺が知るよりもずっと辛い思いを抱えて痛みを背負って来たんじゃないかって思ったんだ
涙を流すこともできずずっと歯を食いしばり生きていかないといけない場所にいた
だから痛みが解る
哀しい心を理解できるんじゃないかって
案の定優しさの欠片もない乱暴なやり方で秋田を浄化してくれた
でも浄化できた時の表情は慈愛に満ちていて優しくて
俺は完全に堕ちた
「お慕いしております」
「ちょっと待て！！何で迫ってくるのよ！！」
俺を本気にした責任を取ってください
もう後戻りはできませんよ
「えーっと、これはどうしたらいいのかな？」
「ああ、あまりにも唐突で反応できなかった」
「姫に抱きつくな！！そこは俺の特等席だ！！」
誰にも渡す気はない
「妖怪と人間が愛し合うことが許されるんだし問題ないですよね？」
「問題ありよ！！」
「俺は全然OKです！」
狐の嫁入りしかり
鶴の恩返しだってあったし
「兄弟、どれも最後は結ばれてないだろ」
「俺はどんな貴方でも受け入れます！」
物語の最期はどっちも男が甲斐庄なしだから結ばれなかったけど
「俺は細かいことは気にしません」
「アンタはもう少し気にしろ…そして今すぐ本丸に帰りなさい」
「ああ、それなら家出してきましたので」
「はぁ？」
荷物を見せ笑顔で告げる
「不束者ですがよろしくお願いします。弟共々」
「お願いします主君」
俺達の主は短剣や脇差しがいなくなってもなんとも思わないからそのまま文をしたためて来た
「さぁ俺と血の契約をしてください…もちろんもうひとつの契約を」
俺の初めてを奪ったんですから責任取ってくださいね？
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藤四郎(プロフ) - めっちゃ面白いです、更新頑張ってください！……鯰尾ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！いいぞもっとやれ← (2018年12月22日 16時) (
レス) id: 770379ee24 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - ユウさん» ええっ？！いいところで次の話まで待つのですか？！早く続きが読みたいです！！更新、頑張って下さい！！！！！！政府と妹に関しては監査に捕まればいいのにと思ってます。 (2018年7月8日 18時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
NaA - すみません、名前の所が途中から(さにわ名)になっています！！ (2017年11月29日 22時) (レス) id: 9e11f50eb6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜叉丸 - とても面白かったです！続きを楽しみにしてます(＾ω＾) (2017年11月9日 19時) (レス) id: 72359a84c1 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - ○ちゃんさん» コメントありがとうございます！更新がストップして申し訳ありません！ (2017年11月1日 22時) (レス) id: 8f35720166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2017年10月4日 18時
