史上最弱の審神者

第三十二話〜急展開 ページ33

久しぶりに霊力を使い過ぎた所為で寝たきりになった

「うぷ…気持ち悪い」

「あるじさまぁぁぁ！！」

あげく力を使い過ぎた反動で嘔吐が止まらず最悪だった

「大丈夫ですかあるじさま」

「大丈夫よ…うっ！！」

口では大丈夫だと言いながらも全然大丈夫ではなかった

「主、体調が悪い所申し訳ないのだが」

「なに骨喰…うっぷ」

「ああ、兄弟がどうしても主に会いたいと」

「お引き取り願って」

今他所の刀剣に会う余裕はない
こうしているのがやっとで常に嘔吐で苦しんでいる始末だし


「いや、もうそこにいるんだが」

「はぁ？」

バァン！！


乱暴に襖を開ける音とやかましい足音が聞こえる

いつもならもう少し控えめに入って来るも鬼気迫るような表情で入って来る

「おい鯰尾！主は病気で！！」

「君の気持ちはわかるけど…ね？」

背後で髭切と膝丸が今にもつまみ出そうとしているが言葉は優しい

「鯰尾、文句は後で聞くから…今は本当に無理だから…うっ！」

また嘔吐しそうになる

言い訳をする気もないし許してくれとも言わない

緊急事態と言えどあんなことをしてしまったんだし怒っているだろう

‥…そう思ったのだが

「俺を貰ってください」

「「「は？」」」

吐き気の吹き飛ぶような展開が起きた


「俺をお嫁に貰ってください！」


「……ついに頭がおかしくなかったの？」

間を置き思ったのはこれだ

「ははっ、何を言っているんだ鯰尾」

「そうだよ？気でも触れたのかい？」

うんうん、もっと言ってやれ髭切膝丸

「本気です、俺は貴方に惚れました」

ポッと頬を染める表情は可愛らしいけどときめかないからね？

「いや意味わかんないんだけど」

「本当はこの離れに来た時から惹かれていました…でもそれは許されないことだと気持ちに蓋をしました」

「はぁ…」

ならそのまま蓋しておいてください
今更めんどくさいモノを開けないで欲しいんだけど

「けれどあんな熱い接吻をされたら無理です」

「いや人工呼吸だよ、接吻じゃねぇよ…勘違いすんなよ」

「主、口が悪いぞ」

今はそんなことを気に留めている余裕はない

「さっきから胸が苦しくてくらくらします」

「なら早急に手入れ部屋に行くように勧めるわ」

「この胸の高鳴りは貴方に懸想した証だと本に載ってました」

「どこの本！？アンタ刀剣だろ！！」

しかも神様が人間に懸想するか？

「大体アンタ人間を嫌っていただろうが！！」

誰かこの馬鹿を止めてください

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