標的45 ページ45
「どうぞ。ハーフボンゴレリングです。首からおかけ下さい」
チェルベッロに渡された指輪をチェーンに通し、を首からかける。
あーあ、真っ二つにされちゃって……
「では雪の守護者は所定の位置へ移動して下さい。なお今回、観覧席は校舎の外となっており、勝負の様子は壁に設置された巨大スクリーンに映し出されます。守護者以外の方は速やかに退室して下さい」
チェルベッロがそう告げ、それぞれが移動を開始する。
「じゃあしっかりな、A！」
「ドジんじゃねーぞ」
「はいはい……あ、ちょっと獄寺」
私は出ていこうとする獄寺のコートの襟を鷲掴む。
「これ……貸してくれない？」
「はあ！？なんでだよ」
「寒いんだよ」
「ざけんな、オレだってさみーっつの」
「戦う前に凍え死んじゃう……」
「チッ……わぁーったよ！オラ着とけ！」
「っしゃー！サンキュ！」
獄寺はしぶしぶコートを投げつけた。
なんだかんだ言って優しいところもある。
「汚すなよ！」と言って校舎の外へと出ていった。
約束は……出来ないかな……
「確かに厚着しといた方がいいかもな。ほら、これも持ってけよ」
「え？山も……んむッ」
急に視界が真っ暗になる。
再び視界が開けると、首元が暖かく、頭からネックウォーマーを被せられたのだと理解する。
「今夜は冷えるらしいからな。一応持ってきたんだ」
「あったけ〜！ありがとう山本！」
「おう！じゃ、頑張れよ」
そう突き出された拳に、拳を当て返す。
……昨日、様子がおかしかったのは気の所為だったのかもしれない。
「それじゃあA、気をつけて……」
「そんな心配そうな顔しないでよツナ」
「大丈夫だって！」と笑うと、ツナは少し口元を緩めた。
全員が退室し終える。
閉じた昇降口がガチャリ、と音を立て施錠された。
……これで私ひとりだ。
エアコンの稼働音だけが絶え間なく鳴り続ける。
冷えた空気と、みんながいなくなったことで、若干心が揺らぐ。
まだ始まってもいないんだ……集中集中。
私は、伸縮自在な槍の柄を伸ばし、数回素振りをして気持ちを落ち着けていた。
どうやらお互いの姿が見えない位置からのスタートらしい。
壁のスピーカーから淡々とした声が響く。
「それでは雪のリング、クーガーvs.AA」
「勝負開始！！」
あなたの死ぬ気の炎の属性は……
雷
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佐乃(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの寝床はそのうち出るかもです……笑 (2019年7月27日 20時) (
レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
佐乃(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ (2019年7月27日 20時) (レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - 面白いです。続きが楽しみです。 ヒロインちゃんは結局どこで寝泊まりしてるんだろうw (2019年7月27日 17時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 物凄く面白いです。 (2019年7月27日 16時) (レス) id: fa117b4385 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：佐乃 | 作成日時：2019年7月26日 19時
