標的18 ページ18
＿＿＿あれから一ヶ月後。
「わーっ！」
「いけええ山本ー！」
骸との戦いは無事に幕を下ろし、今日は野球部の秋の大会の応援に来ていた。
「さすが山本！」
「アイツ野球やってる時はほんとカッケーよな……」
現にスタンドからは、黄色い歓声が上がっている。
一ヶ月経って分かったが、山本は勉強面が壊滅的だ。
きっと能力値が運動面に前振りなんだろう。
山本のホームランにはしゃぐ応援席を見て、獄寺は捻くれたように呟く。
「ったく、山本ごときに相手チームは何やってんスかねぇ……」
気だるそうに立ち上がると、とつぜんグラウンドに向かってこう叫んだ。
「テメーら、しっかりやんねーと暴動起こすぞ！！」
「ストォオオッップ！！」
その手にはちゃっかりダイナマイトが。
慌てて消火活動を行う。
燃えていいのは魂だけだもんね(by最近プ○メアをキメた作者)
「まぁ落ち着けタコヘッド、スポーツ観戦ではやるべきことが他にあるだろ」
「あ、了平先輩こんにち……」
「野球などやめて、ボクシングやらんかー！！」
「それも間違いー！」
ツナのツッコミは今日もキレッキレである。
口喧嘩を始めた二人にあたまを抱えるツナに、私はただ苦笑するしかなかった。
そこへ、飛んできたファウルボールを見事キャッチしたのは、ビアンキさんだった。
「でーーッ！！」
「あああ獄寺君がっ！」
不意打ちのように現れたビアンキさんを見た獄寺は、無様に泡を吹いて倒れた。
それを横目に、ビアンキさんは私の隣へ腰掛けた。
「ビアンキさん、来てたんですね」
「ええ。お弁当持ってきたわよ」
「わ、ありがとうございます」
まあポイズン・クッキングなんだけど……
そこから会話はなく、ぎこちない空気が流れる。
あれから何度か顔を合わせてはいるが、初対面が骸に憑依された状態だっただけに、私は少し気まずさを感じていた。
「……ねえ、A」
落ち着いた声だった。
「あの時のことだけど。気に病んでいるなら、それは違うわよ」
「……え、」
私は思わずビアンキさんの目を見つめる。
「あなたがツナたちを助けたい一心で動いたことは、ちゃんとみんなに伝わってるもの」
「……！」
そう言って、にこやかに微笑んだ。
普段無表情なビアンキさんの笑顔は、どこか暖かさがあった。
鼻の奥がツンとする。
「ありがとう、ございます」
私はなんだかむず痒さを感じて、立ち上がった。
「すみません、ちょっと、トイレ行ってきます」
「ええ。行ってらっしゃい」
あなたの死ぬ気の炎の属性は……
雷
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佐乃(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの寝床はそのうち出るかもです……笑 (2019年7月27日 20時) (
レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
佐乃(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ (2019年7月27日 20時) (レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - 面白いです。続きが楽しみです。 ヒロインちゃんは結局どこで寝泊まりしてるんだろうw (2019年7月27日 17時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 物凄く面白いです。 (2019年7月27日 16時) (レス) id: fa117b4385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐乃 | 作成日時：2019年7月26日 19時
