標的17 ページ17
「ぐ……ッ゛！！」
「はあ！？お前、何して、」
「こう、すれば。少しは……機動力が落ちる、でしょ……」
確かに足を負傷していれば、乗り移った骸の動きを少しは制限できるかもしれない。けど……
「ツナ、」
「A……」
「大丈夫。勝てるよ」
その言葉は、絶対的な自信に満ちていた。
……信じてくれている。
改めて、覚悟を決める。
「うん。絶対、勝つよ」
「当たりめーだ！十代目が負けるわけねーだろ！」
「はは、頼もしー……」
そう言っている最中にも、地面にはどんどん血溜まりが広がっていく。
「と、とりあえず、安全な場所に移動させよう」
「クソッ……暴れんなよ」
「ちょ、痛い痛い！もっと丁寧に扱えっつの！」
「おい、暴れんなっつってんだろ！」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながら、獄寺君はAを木陰に降ろした。
なんだかんだ言って、気遣ってはあげてはいるらしい。
最初はどうなることかと思ったけど……仲良くなれたみたいで良かったな。
「ふー、全く……お待たせしました。十代目」
「うん、ありがとう獄寺君」
ランチアさんと山本、Aのためにも。
行こう。
骸の元へ。
＊
……行っちゃった。
ツナたちの後ろ姿が見えなくなる。
側で見ていたいけど、また乗っ取られて足を引っ張るわけにもいかない。
それこそ原作が変わって、ツナが負けるなんてことになったら絶対にダメだ。
「そこまでするとは思いませんでしたよ」
「……アンタのせいだろ」
精神を通して骸の声がする。
こいつ直接脳内に……！
「そうまでして、あの男を助けたいですか」
「当たり前でしょ。友達だもん」
……返事がない。
「まあ骸は友達いないもんねー」
「必要ないだけです」
うわ、ほんとに友達いないやつが言うセリフじゃん。
「なったげるよ」
「は？」
……許したわけじゃない。
だけど、一瞬。
私の中に骸の精神が入ってきて、同調したことで少しだけ感じた、虚しさ。
「ここまで利用されておきながら、ですか」
「友達なら仲直りできるじゃん」
ちょっとクサいセリフを吐いてみる。
なんのために私がここにいるのか。
原作は変えられなかったけど、まだやれることはある。
「なるよ。未来が見えるって言ったでしょ」
まあこれは嘘だけど。
骸がどんなやつか、この先のことも、私は全部“知ってる”。
「……考えておきます」
「なんで上から目線なんだよ！」
ヘルシーランドの最上階から、激闘音が響いている。
傍にあった三叉の槍が、音もなく砕け散った。
あなたの死ぬ気の炎の属性は……
雷
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佐乃(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの寝床はそのうち出るかもです……笑 (2019年7月27日 20時) (
レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
佐乃(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！ (2019年7月27日 20時) (レス) id: 0f99d84b60 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - 面白いです。続きが楽しみです。 ヒロインちゃんは結局どこで寝泊まりしてるんだろうw (2019年7月27日 17時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 物凄く面白いです。 (2019年7月27日 16時) (レス) id: fa117b4385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐乃 | 作成日時：2019年7月26日 19時
