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………えっ、と。距離が近すぎるんですが?
『わ、私に会いに来たと…そうおっしゃいました?』
「あァ、俺も兄貴もな」
「噂の兎喰家のオジョーサンがどんなものか、っていうね」
噂の……?悪いものでしょうか?いや、悪い噂は立っていない筈。低姿勢を心掛けましたし。
なら……
『……?仕事の話、ですか?』
恐る恐る……けれど声が掠れない様にして声を紡ぐ。
思った事を言ったのだが、二人は私の回答に何故か目を見開いている。何か粗相をしてしまったかと冷や汗をかいた、が……
(御二方が私に話しかけるなんてそれくらいしか無いと思う、というか……)
『粗相をしてしまったのなら謝罪を。仕事なら何でもお申し付け下さい。夜の11時まで予定は無いので』
「………兄貴、どうすんのこれ」
「んー、面白そうだし俺は続けるよ?仕事だし」
「……ったく、」
『……?』
会話の意味が分からない…いや、やはり仕事の話ですよね。
灰谷蘭様からも「仕事」という単語が出たし。仕事に関係しているんでしょう。
『何か?』
「んーん?Aちゃんこの後11時まで仕事ないんでしょ?」
『ぇ?あ、はい』
「じゃあなんか食べたいものとかある?俺達と食べに行こ?」
『えっっっ』
…し、しごと……仕事…………??
え、食べにいく話?仕事の話では無いんでしょうか?あっ、仕事前に親交を深めるとか?
『いやっ、お構いなく…御二方が食べたいもので結構というか』
「へぇ、言わないの?」
「言いたくねーなら無理強いはしねーけど」
遠慮気味にそーーっと二人から離れようとすると、灰谷蘭様が私の腕をツツツ、となぞって甘ったるい声で囁いてきた。
吃驚して身を引こうとすれば後ろにいた灰谷竜胆様に顔を寄せられて、そのまま耳元で囁かれる。
何処と無く掠れている二人のその声に、何故だか知らないが胸がむず痒いというか……ぞくっ、として足をこすり合わせた。
『あのっ、私の好物はお二人に勧められないというかお二人に失礼というか、』
こう言ってもお二人は「大丈夫大丈夫」「俺らの食生活とか知らねーだろお前」と受け入れる。
(言いたくありませんでしたが……仕方ない)
『…け』
「「?」」
『……お茶漬け、です』
案の定、二人には爆笑された。
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蓮 - 三途も同じ状況になってしまうのでしょうかww更新頑張ってください!応援してまーす! (2022年3月28日 9時) (レス) @page12 id: b575e31252 (このIDを非表示/違反報告)
ATR214YS(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!ぜひ続きを書いて欲しいっ更新待ってます! (2022年1月4日 10時) (レス) @page12 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 待機…( ′ ′ )← (2021年12月20日 23時) (レス) @page12 id: 912a8b7391 (このIDを非表示/違反報告)
NANA - ここで止まっちゃうのかよ?!www更新してほしいー!!!!!! (2021年11月26日 5時) (レス) @page12 id: fc6b10805b (このIDを非表示/違反報告)
どっかの犬好き - さ、さんま見てたら思い付いたんですか…凄いですねw更新楽しみにしてます (2021年10月31日 21時) (レス) id: 7c01fc8068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年9月9日 23時