＊私のドリーム・ヒーロー＊ (ページ5)

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【Episode】part5;No side ページ5

無音さに気づいた2人は、あることを思い出す。先から泣いていたはずの蜜愛は急に静かになったことだった。

百合朝「蜜愛、大丈夫？」

正祈「何かあったのか？」

　2人は蜜愛に声を掛けた。しかし、蜜愛から返事も反応はなかった。2人を更に心配なった。

　そんな2人は蜜愛の顔色を伺う為にそっと近付いた。その寸前に、先まで無反応だった蜜愛はいきなり振り向いた。

百合・正祈「「！？」」

　そして、先まで怯えていたと思えないほどの満面の笑顔を作り、明るく言った。

蜜愛「パパ！ママ！私、ヒーローになりたい！！」

百合・正祈「「え……えぇ！！！？」」

　蜜愛の突然、夢の決断に百合朝と正祈は驚く。

百合朝「ど、どうしたの！？」

正祈「いきなりヒーローになりたいって、小説家の夢は諦めたのか！？」

蜜愛「ううん、諦めてないよ！私はヒーローと小説家になるの」

百合朝・正祈「「両方ともなるの／か！？」」

蜜愛「うん！」

百合朝「蜜愛、大丈夫？両方ともなるのは難しいよ」

正祈「小説家はいいとして、ヒーローは厳しいぞ」

蜜愛「どうして？」

正祈「それはな、ヒーローってのは遊びじゃないぞ。人の命と自分の命が関わってる仕事だぞ」

百合朝「それに、ヒーローになることはとても大事な責任を持つことよ。人を守る責任。ヴィランを倒す責任。国や世界を守る責任。失敗の責任。成功の責任。命の責任もあるよ」

正祈「それから、ヒーローの仕事はただヴィランを倒すことだけじゃない。人を守るのも救うのも仕事だ。それをすることによって、様々な場面に出会(でくわ)すことになるよ。それは、戦いに参加しないといけない場面、人が怪我している場面、暗闇での活動、怖くて恐ろしい事件や絶体絶命に陥いたり。そして、やがて蜜愛は怪我をしたり、致命傷を負うことになるよ。泣き叫ぶほどにな」

蜜愛「うっ。ガ、ガンバルヨ」

正祈「蜜愛、カタコトになってるぞ」

百合朝「蜜愛、本当にヒーローを目指すの？危険だし、蜜愛の苦手な物事が多いよ」

正祈「辛いし悲しい。卑怯なこともあるしショックを受けることも多くなる。自分も嫌と思うことになるかもしれない」

百合朝「それ以上の物事が起こるかもしれないよ。それでも、蜜愛はヒーローになりたいと思う？」