◇Story28 ページ29
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「数学やっべー！」
放課後に、今日も勉強をしようと机に向かっていた。
今日は数学じゃなくて、英語。
英語は苦手ってほどじゃないけれど、それでも平均点届かない、くらい。得意とは言えない。
千晴ちゃんは先生に呼ばれてるらしく、一人で習った文法や、教科書に出てきた単語を一通り書いて覚えていると、隣の高橋くんがいきなり叫びだした。...ビックリした。
どうやら、数学をやっていたらしい。ちらりと隣を見ると、クラスの男子と数学のプリントをやっている。
前に誰かが、高橋くんもあまり成績が良くないみたいなことを言っていたような気がする。数学は苦手なんだろうか。
「落ち着け高橋」
「落ち着けねーよ...マジで今回やばいんだって！親にあまりに酷かったら部活やめろとか言われたし！」
「うわ...ふぁいと」
「あああ！！」
何やら大変らしい。
それにしても...少し声が大きい。高橋くんが大きい声を出す度にビックリしてしまう。
それは、他の子も思っていたようで、同じように教室に残っていた女の子が後ろから『高橋うるさい』と言っていた。
「つーか、高橋サッカー部だろ？サッカー部にアイツいるじゃん、櫻井。
櫻井って頭良いんじゃなかったっけ？教えてもらったら？」
「あ！そうだ！今日櫻井に勉強教えてもらうって話したんだった！ちょっと1組行ってくるわ」
「え、待って。俺も聞きたいから行っていい？」
「いいんじゃね？」
そんな会話をしつつ、高橋くんとその男子は勉強道具を持って教室を出ていった。
...静かになったし、勉強再開しよう。
うるさい、とまでは言わないけれど、でもやっぱり声が大きすぎると...集中力半減するよね。
なんて思いながら、手元の教科書を見ながら、ノートに書き写す作業。
ていうか...
櫻井くん、女子だけじゃなくて男子にも頼られてるんだなあ。
色んな意味で人気者。
さっきは普通の休み時間だったけれど、今は放課後だから、もっとたくさんの、他のクラスの子とかも櫻井くんに教えてもらいに行ってるんだろうな。
「あれ、高橋居ないじゃん」
「...っ...⁉⁉」
なんて考えてたらいきなり、頭上から櫻井くんの声が聞こえた。
顔を上げると、何故かいた。目の前に、櫻井くん。
驚きすぎて心臓止まるかと思った。
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作者名：あんでぃー
| 作成日時：2016年7月24日 18時
