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目を覚ましたかと思われたが、伸ばしていた脚を緩く折り曲げたくらいで頭の上がる様子はない。ほ、と軽く息を吐いたカルマは回収した眼鏡を折り畳もうとして、ふと手を止めた。覚えた違和感をそのままに、少し離れた位置で片目を瞑ってレンズを覗き込む。
おや、と怪訝な面持ちになった直後、ぶわ、とどこからか吹いた風がカルマの前髪を撫で上げた。
部屋一帯を低く薙いだ風には烏間も気付いたようで、二人の視線が突然部屋に現れた──正確には超スピードで障子を開けて入ってきたのだろうが──超生物に向けられる。
「おや、カルマ君に浅野さん。何かありましたか？」
経たずして、汗を拭きながら鎮座する殺せんせーがここにいないはずの生徒に気付くや顔をにやけさせた。親睦を深めた教え子を微笑ましく見守る、のならまだよかったものの、残念ながらそれだけに留まらず下世話な目でも見てくるのがA達の担任だ。
忙しく顔色を変える殺せんせーに噛みつくのは逆効果なのだろう。Aの眼鏡を畳んだカルマが何でもない風に言葉を返す。
「今日高校生と揉めたじゃん、そん時俺と浅野さんちょっと怪我したから一応烏間先生に診てもらってたんだよ」
「にゅやっ!? 二人とも怪我の具合は大丈夫なんですか!? それと何で先生には一言も言ってくれなかったんですか!!」
「お前にいうと大騒ぎするだろう。体育の授業で生徒が怪我をした時の慌てようを忘れたとは言わせないぞ」
大仰に嘆く殺せんせーにパソコンから目を離さないままの烏間から厳しい突っ込みが飛ぶ。が、今この部屋には敏い者しかいない。両名共に、烏間の言葉の真意を汲み取っていた。
何事もなく解決できたからよかったものの、四班の七人は事件に巻き込まれたのだ。心配からなのだろうが、変に殺せんせーが生徒の怪我で慌てふためいて大事にして引っ掻き回すのはあまり宜しくない。
一人で騒いでいた殺せんせーだったが、カルマに大したことなかったよと告げられて漸く静かになったところで、ぴくりとも動かないAが眠っていることに気付き、改めて二人の方に目を向けた。
「カルマ君も浅野さんも、今日はよく頑張りましたね」
「……別に、俺には慣れてることだし、それは浅野さんが起きてる時に言ってあげてよ」
少し間を置いて意図に気付いたカルマが言いながら隣のクラスメイトを見やる。
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窓(プロフ) - 星咲夜空@スマホさん» コメントありがとうございます。糧とまで言われて本当に嬉しいです……！ 今までほどの更新頻度は保てないですがお付き合いいただけると幸いです！ (2021年9月4日 1時) (
レス) id: 1c42528565 (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空@スマホ(プロフ) - 更新ありがとうございます。この作品の更新が生きる糧です、これからも無理のない範囲で頑張って下さいませ！ (2021年9月4日 0時) (レス) id: 2efeb2cec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：窓 | 作成日時：2021年9月2日 20時
