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「おーいガキ共、もうすぐ就寝時間だってこと、一応言いにきたわよ」
一応って……と苦笑する中村が離れたことで、体の自由が効いたAはごろんと寝返りを打つ。改めて見たイリーナの手に提げられた缶ビールに気付き、顔を渋くする。
「ビッチ先生、一応引率なんですからお酒は程々にお願いしますよ？」
「カッタいわねえAは。あんた達だってどうせ夜通しお喋りするんでしょ？ あんまり騒ぐんじゃないわよ」
起き上がったAの額をイリーナの指が軽く小突く。仰け反った彼女の隣から、倉橋が不満の声を上げた。
「先生だけお酒ずるーい！」
「当たり前でしょ？ 大人なんだから」
そういって自室に戻ろうとするイリーナを、オトナの話聞かせてよ！ と矢田が引き留めた。普段の授業より為になりそうとまで言われて怒るイリーナが、宥められながら敷居を越える。倒れた時に乱れた襟元を正しながら、Aもイリーナを中心とした女子の輪に加わった。
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※オリジナル回
結果からいうと、世界を飛び回ったイリーナの体験談をE組の女子が聞くことは叶わなかった。彼女が十七の時のことを話し始めようとした直後、女子に混じって
男子の部屋同様皮膚をピンクに染めながら常より更ににやけ面の殺せんせーだったが、中村を筆頭に自分の恋愛話をせがまれたかと思うと、ご自慢の超速で女子の部屋を飛び出したのはつい今さっきのことだ。
ナイフを手にしたはいいが、無理に駆け出そうとはせずクラスメイトの背中を見送ったAの耳が、経たずして男子達のぶっ殺す！ という声と荒々しい複数の足音を捉える。そこに女子の増援も追いついたようで、挟み撃ちに狼狽える殺せんせーの断末魔まで聞いたところで、ナイフを懐にしまって彼女も障子が開きっぱなしの大部屋から出た。
音の喧しい方に目を向けると、黄色い残像を追うクラスメイトが床を軋ませてナイフで空を切って発砲音を鳴らしている。場所は変われど結局は暗殺か、と騒がしい廊下を目にくすくす笑うと、少し喧騒から離れた壁際に背を預ける二人のクラスメイトがAの視界に入った。
「赤羽君と渚君は参加しないの？」
「ああうん、何というか、波に乗り遅れちゃったから……」
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窓(プロフ) - 星咲夜空@スマホさん» コメントありがとうございます。糧とまで言われて本当に嬉しいです……！ 今までほどの更新頻度は保てないですがお付き合いいただけると幸いです！ (2021年9月4日 1時) (
レス) id: 1c42528565 (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空@スマホ(プロフ) - 更新ありがとうございます。この作品の更新が生きる糧です、これからも無理のない範囲で頑張って下さいませ！ (2021年9月4日 0時) (レス) id: 2efeb2cec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：窓 | 作成日時：2021年9月2日 20時
