ときめきスクールライフ ページ44
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今日も教室から見る空は青く
今日も
N「という訳でぇ…この本来の語源は…」
二宮の講義の声は小さい。
雅紀はデコに肉と書いても爆睡だし
今日も俺は退屈だ。
S「…むぅ」
先日の放課後の松本を追跡するという大変スリリングな遊びは、オヤジに見つかりお尻ペンペンという屈辱の結果に終わり
送迎の車をつけられるのは何とか回避した。
あの時ほど自分の可愛い顔に感謝した事はない。
で、暇だ。
前に向き直ると制服のYシャツの松本。
肩や腕まわりはピタッとシャツが筋肉に張りついているのに、ウエストはきゅっと細い。
筋肉自慢の極道の家でも松本のストイックさは群を抜いていて
昔、彼が組の食事担当だった頃には
玄米は標準装備、ここはボクシングジムかってほどに肉や野菜も厳選されていた。
ちなみに、今は今年大学を出た山田君という子が後を継いで食事担当をしている。この子も小柄で色白で可愛らしいのに実は趣味がバーベル上げという残念な子だ。
話がそれた。
S(……細っせえな〜つかめそう)
本人には絶対言えないけど、女の子みたいにくびれてる。あ、そーいえば今日のめざましテレビで今年の水着はワンショルダーかビスチェ型が流行りだと言ってたが、俺は断然ビスチェだと思った。だってワンショルダーって普通の服じゃん。思春期の男子が水着に求めてんのは露出じゃん。普段見られないお腹じゃん！
ってココ男子校…
はぁ〜さわってみたいな〜
やっぱやわらかいのかな〜
松本のシワひとつないYシャツの背中に集中して妄想してみる。
両手？いや片手でぐっと？
アイドルのプロフィールが正しければ、ウエスト58センチとして半分が29センチか。いやいや人間は立体だから円周が58の時の直径は…
セミの声さえ聞こえなくなるほど
女の子のお腹をつかめるか計算に没頭する。
よしッ！イケる！
むぎゅっ。
M「…！！」
あり得ない硬い感触に我に返れば
俺の右手は無言で松本にひねられ
M「…ボンでも容赦しませんよ。」
甘い思春期の妄想をブチ砕く
低い囁き声が俺を一気に凍らせた。
慌てて手を引っ込めても時に遅し。
コイツ背後は駄目だった…
しかし背後でなければ
あの魅惑のウエストには触れない訳で
俺の若さ故の葛藤は
数式のようにすっぱりと割り切れず
S「じ、冗談だってぇ〜松本君てば」
もちろん猿芝居で
誤魔化しきれるものでもなかった。
ああ、今日もまたペンペンの刑か…。
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作者名：ゆみ
作成日時：2017年5月29日 19時
