人形の窓 ページ15
こんにちは！私、しょーちゃん！
リカちゃんのパチもんじゃないかって？
おだまりッ！おこちゃまには知らなくていい事ってたくさんあるのよ。
私のお部屋は智君の机の上にあるの。
もともと「ねーちゃん」のクリスマスプレゼントでお嫁にきたんだけど、あの子飽きっぽいのよね。
智君は時々可愛いお帽子を作ってくれたり、とてもよくしてくれるの。
ただアイツらがね…
「「大ちゃん！あっそびましょ〜」」
来た来た来た！
A「しょーちゃんドゥクシドゥクシ！」
N「ちょっとパンツ見せなさいよ！」
まったくコイツら…レディの扱いがなってないんだから。
O「あ、潤はしょーちゃんはじめましてだよね。」
智君の後ろから大きな目がドールハウスの窓をのぞいてる。
O「しょーちゃん、転入生の潤だよ。イケメンでしょ？はじめまして！」
智君が私を悪ガキから取り返して潤の前につきだす。
じーっと黒い瞳が私を見つめて、ぷっくりした唇が開くと
M「かわいい…」
あら！お目が高い。私の事そんな風に言ってくれる殿方ってそうはいないのよ。
O「でしょ〜ねーちゃんからもらったんだ。つぶらな瞳がかわいいよね」
M「うん。ウチもねーちゃんいるんだけどパパが男の子は人形なんかで遊ぶなって…」
んまぁ！今どきそんな親父がいるのね！失礼しちゃう。
O「じゃあウチにまた来なよ。オイラのしょーちゃんドレスコレクション見せてあげる。これオイラが作ったんだよ」
M「わぁ〜すごい！大野君が？」
キラキラとした目で見つめられて智君も満足そう。こらこら。ワタシ以外に浮気なんて許さないから！
「智〜！おやつですよ！」
A「お！この匂いはホットケーキ？」
N「大ちゃん家のホットケーキ美味しいんだよ。潤君行こ！」
バタバタと階段を駆け下りる悪ガキどもを嬉しそうに見送って、潤君が振り向く。
M「じゃあまた来るね。しょーちゃん。」
ドールハウスの窓ごしにのびた細い指が私の自慢の髪をすーっと滑るように撫でて。
その時。
人形の私の胸が確かにトクンとひとつ動いたの。
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作者名：ゆみ
作成日時：2014年7月20日 14時
