プロローグ 1 ページ1
彼が死んで、早5年。
一緒に住んでいたこの部屋には、もう、彼の匂いはしない。
たばこ嫌いの私を気遣って、ベランダで吸っていたたばこ。
カーテンが揺れて、目頭が熱くなった。
5年。
人の人生にだと、だった5年。
でも、その5年で、私はいろいろ変わった。
大好きで、大好きで、愛してやまなかった陣平の声を忘れた。
Aって呼んで笑う顔。
心配だって、泣きそうな顔。
イタズラが成功して、ニヤニヤした顔。
全部、全部。忘れてしまった。
私はこんな薄情な人間だったっけ。
外は土砂降りの雨。
陣平が死んだと伝えられた日もこんな雨の日だった。
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伊玖 - 美桜琉さん» コメントありがとうございます。申し訳ないのですが、この度パスワードを忘れてしまいまして、更新できません。数ヵ月したら、似た作品を作ろうと思いますので、良かったらぜひ。 楽しみにしてくださってありがとうございます!! (2019年8月13日 23時) (レス) id: 88fe075828 (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - まだ始まったばかりだけどとても面白くて続きが気になります!更新待ってるので頑張って下さい! (2019年8月5日 16時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊玖 | 作成日時:2019年6月16日 10時