【ジョジョ】酸素不足【ブチャラティ】

41話 ページ44

ブチャラティside


大まかに予定を決め、詳しいことはまたいつもの場所で話そうということになった。


「そういや、テオとかいったやつだが…また何かあったら言うんだぜ？」

『うん、ありがとう。今日は戸惑っちゃったけど…今度何かされたら、もう容赦しないから！』

「はは、その調子だな」


なんやかんやで少し他愛のない話をして、気がつけばもういい時間になってしまっていた。


「そろそろ、寝るか？」


『そうね、明日も学校だし……ブチャラティは、明日は仕事？』


そうだと返事をすると、そっかと返事が返ってくる。
……Aの声が少し沈んでいるような気がするのは、オレの気のせいだろうか。


「……どうかしたか？」


気になったので聞いてみると、動揺したような声が。


『い、いや…！なんか、ちょっと切るのが寂しくなっちゃって……』


えへへ、と笑うA。最近気づいたが、これは恥じらいのある時にするA特有の笑い方だ。


そんな反応のAに、オレも電話を切るのが名残惜しくなってしまう。


と同時に、ふと抱きしめたい衝動に駆られる。


「電話はチョイスミスだったかもな……」

えっ？と不思議そうに答えるAに、続けて話す。


「電話だと、抱きしめたいと思っても抱きしめられないだろう？…じれったい気分だ」

『っ…！』


電話越しじゃあ何もできないことに、とてももどかしく感じてしまう。

本当は、今すぐにでもAに触れたいところだ。

声はすぐ傍に聴こえるのに、抱きしめることすらできないのがもどかしくて仕方がない。

オレは、いつからこんなに強欲になったのだろうか……


『つ、次会ったら……ギュってして…くだ、さい』


顔が見えないからか、珍しくおねだりをしてくるA。
弱々しく一生懸命伝えてくるその声に、鼓動が自然と早くなる。


まぁこれはこれで、珍しい反応が聞けるからアリかもしれない。



「あぁ、もちろんだ。次会うのが待ちきれないぜ」


オレがそう言って笑うと、Aもふふっと笑う。

初めて目にした時からAの事は気になっていたが、会うたび、話すたびにどんどん惹かれていく。

話せば話すほど、どんどん魅力的になっていくのだから……とことん恐ろしいやつだ。


『じゃあ、今度こそ切るね』


「あぁ、またな」




電話が切れたことを確認して、受話器をおいた。






*…*…*…*…*…

字数め……

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幸運を運ぶ黄金の風キャラ

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