39話 ページ42
ブチャラティside
「A、聞いているか?」
『!ごっ、ごめんね……』
いつものリストランテに行った帰り道。
どうしたのか、Aはずっと上の空だ。
「……もしかして、片想いだとか言われたこと、気にしているのか?」
『そっ……それは……その、』
人気の少なくなった通りで、Aの少し震えた弱い声だけが聞こえる。
言葉を詰まらせる様子から、図星なことを悟った。
困惑しているAの瞳は、街灯に照らされて不安そうに揺れる。
そっとオレは、Aの小さな体を抱き寄せた。
「……本当に、好きなんだがな。こんなに早くなった鼓動を聞いても、伝わらないか?」
恥ずかしい話だが、こうして密着していれば、心臓の音は十分に聴こえているだろう。
オレが問いかけると、長いまつ毛を伏せがちにうつ向くA。
『それでもやっぱり不安なの……ブチャラティは人気者で素敵な人なのに、それに比べて私はって……やっぱりこんなの、釣り合ってないんじゃないかって思……っ…!』
不安と焦燥を感じとれるような声色で、自分自身を否定するA。
その様子に耐えきれなくなったオレは、思わずAの唇を奪う。
そっと離れて、オレは口を開く。
「そんなに自分を否定するな。釣り合っているかいないかは、Aが一人で決めることじゃあないだろう。」
少し揺らいだ綺麗な瞳が、真っ直ぐオレを見る。
『そう、なのかな……?』
「あぁ、そうだ。何度でも言うが、オレはAが好きだ。この気持ちだけは本物だと確信している」
『信じて、いい?……んぅ、っ』
まだ少し不安そうに訴えかけるAに、もう一度口付ける。
『……っは、っ』
Aは少し苦しそうに瞳を潤ませて、肩で息を整える
「あぁ、誓えるさ。好きだ、A。今も、これから先もずっとな」
オレがそう言って笑えぱ、ギュッと抱きしめてくるA。オレも負けじと抱きしめ返す。
『私、も……好きだよ…』
そう言って、Aは今までで一番の笑顔を見せた。
*…*…*…*…*…
幸運を運ぶ黄金の風キャラ
トリッシュ
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林檎凛子(プロフ) - 最近アニメ見て、ブチャラティ見て、最初に思ったことが、「占ツクに行かなきゃ…(使命)」でした…(笑)そこでこんな素晴らしい作品に出会えて感謝しかないです。ホント。好きです。これからも頑張ってください。そして絵がお上手で憧れます (2019年1月6日 20時) (レス) id: 49cb444d15 (このIDを非表示/違反報告)
林檎凛子(プロフ) - 最近アニメ見て、ブチャラティ見て、最初に思ったことが、「占ツクに行かなきゃ…(使命)」でした…(笑)そこでこんな素晴らしい作品に出会えて感謝しかないです。ホント。好きです。これからも頑張ってください。そして絵がお上手で憧れます (2019年1月6日 20時) (レス) id: 49cb444d15 (このIDを非表示/違反報告)
れあ(プロフ) - ニックネームさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…!楽しんでいただけて、本当に嬉しい限りです(´`*) 更新頑張ります! (2018年12月24日 1時) (レス) id: 91035ceaa1 (このIDを非表示/違反報告)
ニックネーム(プロフ) - いつもなんかブチャラティかっこよすぎてドキドキする。見てるこっちが酸素不足になりそう笑 本当にいつもドキドキするような話をありがとうございます!これからも頑張ってください! (2018年12月20日 0時) (レス) id: 4f09a1f1a3 (このIDを非表示/違反報告)
れあ(プロフ) - よりりさん» コメントありがとうございます! こういった展開いいですよね、私も好きです笑 応援ありがとうございます、とても励みになります!これからもこの作品をよろしくお願いします…! (2018年12月19日 2時) (レス) id: 91035ceaa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れあ | 作成日時:2018年12月1日 16時