試合 3話 ページ14
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「でもさ、バレーってチームでやるものでしょ？だから主将とか関係なく誰か1人だけが全部の責任を背負い込む必要ないと思うけどな。…だからさ、たまには頼ってほしいかな〜。」
下を向く徹に向かって、独り言のようにぽつりと言った。
すると徹は少しだけこっちを見ると、私の肩に顔を押し付けてきた。徹の肩は小刻みに震えている。
「……やっと頼ってくれたね。えらいえらい。」
自分よりも大きな背中を撫でながら徹の柔らかい髪の毛も撫でて、徹の気が済むまで泣かせた。
しばらくして泣き止んだ徹は私の膝に頭を置いて、ボソボソと話し始めた。
「…今回はAにかっこいいとこ見せられなかったけど……次は期待してて。」
「今回も十分かっこよかったよ。勝とうと必死に戦ってる徹は勝ち負け関係なくかっこいい。だから無理しすぎないでね。お疲れ様。」
頭を撫でながらそう言うと、徹は照れくさそうにしていた。
「Aがいてくれてよかった……ありがとう。」
「私だっていつもお世話になってるからね。少しは徹の為に何かできて良かった。…じゃあ、帰ろう？」
「うん。そうしよっか。」
徹はそう言って帰る支度を始めた。
オレンジ色に染まった夕焼け空を見ながら、2人で手を繋いで帰った。
何とか立ち直らせる事に成功したみたいで、私は心の中でホッと安心するのであった。
この調子で少しでも仲間を頼れるようになってくれたらいいなぁ……
ラッキーアイテム
及川徹のユニフォーム
ラッキースポット
バレー部の部室
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作者名：りある | 作成日時：2019年11月15日 20時
