5話 ページ7
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突然のドアが開く音にびっくりして振り返ると、そこには幼馴染の英くんがいた。
「あ、れ……英くんどうしたの?もうみんな帰ったよ?」
慌てていつもの笑顔を貼り付けようとしたけど、普段のように上手くできなくて自分でも分かるほど笑顔が引き攣っていた。
おかしいなぁ、いつもなら自分の意思関係なく笑顔が仮面のようにピタッと貼り付くのに。
英くんはゆっくりとこちらに近づいてきて、椅子に座っている私の頭を優しく抱え込むように抱きしめてきた。
「……もう誰も居ないから。俺しかいないから…無理して笑うな。思いっきり泣いていいから…俺にだけは感情を隠すな。」
頭上から降ってくる英くんの優しい声に導かれるように、涙はじわじわと私の目の淵へ溜まり、静かに零れ落ちた。
「グスッ……うぅっ……」
英くんは小刻みに肩を震わせながら泣く私の背中を子供をあやす時のようにポンポンと優しく叩いてくれて、ずっと隣にいてくれた。
泣き疲れた私の体は英くんの暖かい体温によって段々と眠気に襲われ、いつのまにか英くんの腕の中で眠ってしまった。
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りある(プロフ) - 美園さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!まだお話は始まったばかりなので、今後の展開も楽しみにして頂けたら幸いです(^ ^) (2019年11月11日 7時) (レス) id: 3eeed000d7 (このIDを非表示/違反報告)
美園 - とてもおもしろいです (2019年11月11日 5時) (レス) id: b24611d9b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りある x他1人 | 作成日時:2019年11月9日 12時