25話 ページ28
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「…………っ……」
重い瞼を上げると、そこは体育館ではなく見慣れた病室だった。
……あ、そうか。私倒れたんだ。
すっかり外は暗くなっていて、横を見ると英くんが私の手を握ったままうたた寝していた。
また迷惑かけちゃったな…
「……ごめんね。」
そう言って英くんの頭を何となく撫でると、英くんはゆっくり目を開いて、私の姿を見た途端いきなり抱き締めてきた。
「良かった……」
消え入りそうな声でそう言う英くんの背中にそっと手を置いて、わたしたちは暫く抱き合っていた。
「俺、先生呼んでくるからそのまま寝てて。すぐ戻ってくるから。」
英くんは私の頭を撫でて、小走りで病室を出ていった。
さっき英くんが抱き締めてきた時、英くんの体震えてたな……まるで迷子の子供が親を見つけた時に安心して泣きじゃくってるような感じ。
あれ……前にもこんな事あったような…
「…気のせいか。」
何かが記憶の奥から出てきそうだったけど、思い出しちゃいけないような気がして私は出かけた記憶に気づかないフリをした。
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りある(プロフ) - 美園さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!まだお話は始まったばかりなので、今後の展開も楽しみにして頂けたら幸いです(^ ^) (2019年11月11日 7時) (レス) id: 3eeed000d7 (このIDを非表示/違反報告)
美園 - とてもおもしろいです (2019年11月11日 5時) (レス) id: b24611d9b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りある x他1人 | 作成日時:2019年11月9日 12時